Remake easy 博多天神

茶の作法と文化をブランドの視点と融合した茶室的空間

 

福岡・天神、商業施設や飲食店が立ち並び、昼夜問わず多くの人々が訪れる。賑やかな街並みから少し裏手に入った道の商業ビル内に位置する、会員制パフェバー「Remake easy」。福岡店ではお茶を使ったパフェを通年頂くことができる。福岡県は南部を中心に生産される八女茶や、玉露の生産量が高いことなど、お茶の産地としても有名であるが、元来は明からの帰国僧によって、京都から茶の種と製法が八女市に持ち込まれ、独自の発展を遂げたことに始まると言われている。そして、それを楽しむ茶室という存在もまた、作法に基づいた上で茶人それぞれの美意識が落とし込まれ作られてきた。大きな扉を開いた先には、屋外の光が入り込んできているかのような足元の間接照明から揺らぎのある光と影が床面に落ち、ほのかな煌めきとともに奥へと誘う。露地のようなアプローチを抜けると、障子を模した銅色の行燈がゲストを迎え、茶釜が備えられ、和紙作家によって貼り込まれた和紙貼りのカウンターが広がる。カウンター席を囲むように設けられた、床の間のような小上がり席は、高さや目線を操作することでより親密な時間を過ごす事が出来るだろう。Remake easyのブランドイメージと茶室づくりの作法。双方の作法に倣いリメイクした、Remake easy流の茶室空間が生まれる。(長谷川裕也/FiG

 

 

「Remake easy 博多天神」
オープン:2025年7月
設計:FiG 長谷川裕也
照明設計:Filaments 吉岡政浩
床面積:56.7㎡
客席数:18席
Photo:ad hoc 志摩大輔

 

【内外装仕様データ】
床:長尺シート貼り カーペット貼り
壁:PB下地クロス貼り 和紙貼り(ハタノワタル
天井:PB下地クロス貼り 一部スケルトン天井
家具・什器:和紙貼り(ハタノワタル) 特注家具(ロックストーン

 

長谷川裕也/FiG
1994年、大阪府生まれ。京都造形芸術大学環境デザイン学科を卒業後、2015年より株式会社グラマラスに6年間在籍、2021年にFiG(フィグ)設立。インテリア・家具・プロダクトと多岐に渡るデザイン、ディレクションを手掛ける。表層だけに囚われない、本質的なデザインから導き出される遊び心とオリジナリティ、そこから生まれる豊かさをコンセプトとしている。

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