紙遊 Cafe

土地の歴史を継承し未来に紡いでいくための場所

 

岐阜県美濃市の和紙複合施設の計画。江戸時代より美濃和紙の産地として栄え、今なお町並みの歴史的風情を色濃く残す「うだつの上がる町並み」の美濃。その背景をもつ敷地において、本計画は「景観を守る」ことに留まらず、「新たな価値を紡ぐ」ことを目指しました。江戸期創業の古川紙工が運営する和紙の物販店「紙遊」の敷地内に、紙漉き場・カフェ・ワークショップスペースを新設し、来訪者が和紙の文化や製造工程に触れ、深く理解できる場をつくり、美濃和紙を知る機会を広げることを目的としています。設計においては、伝統的な町並みに呼応しながらも、単なる模倣ではなく、現代の建築として、整然とした歴史の街並みに空間のズレという僅かな異物を差し込み、未来を触発する試みを組み込みました。屋根は周辺の連続する景観に調和するよう整然と配置しつつ、カフェとワークショップ棟はあえて斜めに振った平面計画としています。この角度のずれによって、既存の建物との間に独特の余白が生まれ、人が自然にたまり交わる場所として機能します。それは「過去をなぞる保存」から一歩踏み出し、新しい時間の流れをこの土地に刻む試みでもあります。本計画は、伝統と新しい要素との呼応を通じて、単に形式や風景を留め置くのではなく、未来に開かれた和紙文化の場を提示するものです。歴史が堆積する町に、現代建築が新たな層を重ねることで、時間を超えた対話を可能にすることを期待しています。(MYST

 

 

「紙遊 Cafe」
所在地:岐阜県美濃市常盤町2269
オープン:2025年4月26日
設計:MYST 武田慎太良+篠元貴之+住野裕樹
床面積:256.75㎡
客席数:26席
Photo:森田真悠

 

【内外装仕様データ】
床:コンクリート金コテ仕上げ 防塵塗装
壁:PBt12.5下地EP塗装 屋久島地杉OS塗装
天井:桧合板OS塗装

 

MYST
3人のデザイナー、1人の写真家から構成される、商空間デザインのプロフェッショナルチーム。それぞれが培った、建築・インテリア、国内・海外、プロジェクトの大小問わない様々な経験を、余すこと無く活かし、最適解を導く、「伝わる」ことに重きをおいた設計を提案している。写真左から、篠元貴之(ベターシティ 代表取締役)、武田慎太良(武田慎太良デザイン事務所 代表)、森田真悠(ma/U)、住野裕樹(Agio architects studio 代表)

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