






日本古来の“結界”が空間の非日常性を創出する
銀座・商業ビルに位置する、元々はバー・しゃぶしゃぶ屋として運営していた店舗の居抜き改装プロジェクト。
神社の鳥居、石段、しめ縄、暖簾──。日本は古来より、“俗と聖”、“内と外”、“現世と別世”を隔てる装置として物質を設え、結界の文化と共に生きてきた。
煌びやかな時間が流れる銀座の街。その一角のビルに一歩足を踏み入れると、陰影の美しい、禅の世界を思わせる静寂が訪れる。凛と佇む盆栽、やわらかな光を纏う縄暖簾。別世界への入り口を示すかのような静けさ。暖簾をくぐり、廊下を抜けた先で迎えるのは、欄間と銅色を組み合わせた、彫刻のような吊り意匠。酒瓶が並ぶカウンターバックと客席の深みのある紫、高貴さと神秘性を帯びたその色が、空間全体に“雅”の余韻を漂わせる。柔らかく光を反射する銅色が空間に煌めきを生み出し、空間を包み込む縄暖簾は、ここがまさに別天地であることを示すかのようである。
上質で暖かみのある空間に漂う出汁の香りと、旬の食材をいただくひととき。 その体験は、五感すべてを解きほぐし、日常から“別の世界”へと導いていく。暖簾をくぐり、現(うつつ)から別天地へ。(長谷川裕也/FiG)
「別天地 銀座」
所在地:東京都中央区銀座7-6-10 アソルティ銀座 花椿通りビル4階
オープン:2025年11月25日
設計:FiG 長谷川裕也
床面積:318.9㎡
客席数:44席
Photo:三矢健登
【内外装仕様データ】
床:既存美装
壁・天井:既存美装の上AEP
家具・什器:既製品家具設置 新規什器メラミン化粧板仕上げ
その他:縄暖簾造作/縄暖簾+化粧板仕上げ幕板

長谷川裕也/FiG
1994年、大阪府生まれ。京都造形芸術大学環境デザイン学科を卒業後、2015年より株式会社グラマラスに6年間在籍、2021年にFiG(フィグ)設立。インテリア・家具・プロダクトと多岐に渡るデザイン、ディレクションを手掛ける。表層だけに囚われない、本質的なデザインから導き出される遊び心とオリジナリティ、そこから生まれる豊かさをコンセプトとしている。







