






「華やかさ」と「退廃美」が織りなす非日常空間
日本最大の歓楽街である新宿・歌舞伎町の中心に位置するこのラウンジバーは、「華やかさ」と「退廃的な魅力」を融合させた空間を目指しています。賑やかな街の喧騒の中にありながら、訪れる人々が日々の疲れを癒し、安らぎと静寂を得られる都会のオアシスとしてデザインしました。
この空間の着想は、歓楽街という特異な立地環境から生まれています。外部の騒がしさと内部の静けさを対比させることで、高級感のあるラウンジ空間を演出。また、照明計画と空間設計を工夫することで、店内の明るさをあえて抑え、他の利用者の存在が気にならないプライベート感のある環境を実現しています。さらに、低照度環境を活かして素材ごとに空間をゾーニングし、それぞれの素材が持つ魅力を最大限に引き出すという考え方がデザインコンセプトの出発点となっています。
デザインの核となる「華やかさ」と「退廃美」というテーマは、素材選定と照明手法によって表現しました。ベース照明を極力排除し、間接照明やネオンサイン、光を反射するメタルパネルを用いることで、光の演出効果を最大化しています。また、無機質な素材と有機的な素材を対比させることで、独特の退廃的な雰囲気を際立たせました。さらに、無機質な空間の中に色鮮やかなアーティフィシャルフラワー(造花)を効果的に配置することで、空間に彩りと華やかさを加え、視覚的な魅力を高めています。
このラウンジは、騒がしい都市空間の中に静かで落ち着ける居場所を提供することで、社会的・環境的な価値を生み出しています。日々の生活に疲れた人々にとっての癒しの場となり、外の活気や喧騒と、内部の静寂で退廃的な世界観との鮮やかなコントラストを通じて、都会の中の特別な隠れ家として機能する空間となっています。(轟 貴弘/engine)
「LUXE 新宿」
所在地:東京都新宿区歌舞伎町1-10-3 G3ビル4階
オープン:2023年12月1日
設計:engine 轟 貴弘
床面積:99.1㎡
客席数:約36席
Photo:平林克己
【内外装仕様データ】
〈廊下〉
壁:タイル仕上げ(CHT-MMIX-OD/平田タイル) ダークミラー貼り
天井:塗装仕上げ(ブラック)
床:既存タイル
照明:間接照明(2400K)
〈ホール1〉
天井:塗装仕上げ(ブラック) 薄型天井パネル
壁:壁紙仕上げ(SGB2341/サンゲツ) フレーム/スチール製 間仕切り/照明内蔵エッチングガラスパネル 腰壁/メラミン化粧板仕上げ(KJ-6400KY11/アイカ工業)
〈ホール1(テーブルエリア)〉
テーブル:天板/リップルスチールパネル仕上げ
床:既存タイル カーペット仕上げ(CHN3502/シンコール)
照明:ペンダント照明
その他:装飾/グリーン フラワーディスプレイ 意匠/バックライト付きスチールフレーム
〈ホール2〉
壁:アーチ壁造作 ダークミラー貼り
照明:間接照明(2400K) カウンターライト
カウンター席:チェア設置
〈ホール2(ソファエリア)〉
壁:タイル仕上げ(CHT-MMIX-OD/平田タイル) リップルスチールパネル
家具:ベンチソファ/レザー張り(UP879 CROCO/サンゲツ) ベンチソファ背、座/ブラックレザー張り
〈VIP ルーム〉
床:カーペット仕上げ(DT4262/サンゲツ)
壁:壁紙仕上げ(SW4342/シンコール) アクセント壁/壁紙仕上げ(SGB2528/サンゲツ)+リブウォールパネル スチールパネル
天井:ブラック塗装仕上げ 意匠/リップルスチールパネル
家具:テーブル天板/リップルスチールパネル仕上げ ソファ/ブラックレザー張り クッション設置
その他:テーブル照明設置

轟 貴弘/engine
中央大学法学部法律学科を卒業後、北米大陸にてプロのブルースミュージシャンを目指し、オーディションに明け暮れ、シカゴ・ニューオリンズなどでBusking Musicianとして生計を立てる。道中、テキサスにある国立公園にてレンジャーのアルバイトをしていた際に、同僚に連れられたアリゾナ砂漠で遭遇した洞窟BARに感銘を受け、空間デザインの世界に生きることを決める。2000年に独立し、E/g SPACE LABOとして活動を始め、2004年に法人化とともに社名を engine, inc に変更。商業施設を中心に、飲食店・クリニック・住宅・サロン・物販店など多岐業種に渡り幅広く活動する。







