




松下産業株式会社は、2026年10月5日、茨城県笠間市稲田に新たな文化発信拠点「LOGISTICS(ロジスティクス)」を開設した。開館を記念し、3組のデザイナー、建築家による企画展「INTO THE STONE」を開催する。
LOGISTICSは、日本を代表する白御影石「稲田石」の産地である笠間市稲田の採石場の麓に位置する石材物流倉庫の一角を改修したギャラリー兼アーカイブ施設。約180㎡の空間を活用し、日本各地に存在する石材とその背景にある地質・風土・採石技術・地域文化を未来へ継承するための拠点として運営していく。
館内では、石材サンプルや仕上げ見本を実際に手に取りながら、産地ごとの違いや特徴を体感できる。また建築家やデザイナーにとっては、新しい素材との出会いの場として機能する。
施設の空間デザインは、数多くの商業施設や文化施設を手掛けてきたインテリアデザイナー飯島直樹氏が担当。既存倉庫の構造を活かしながら、ホワイトキューブの開放性と日本的な空間感覚を融合。日本各地の石を展示空間そのものに取り込みながら、石と向き合うための静かな環境が立ち上がっている。飯島氏は今回の「INTO THE STONE」展のキュレーターも務める。
「INTO THE STONE」展の参加デザイナーは、AATISMO、DAIKI TADO、SUPER RATの3組。各デザイナーは日本各地の採石場や加工現場を訪れ、石そのものと向き合いながら制作を行った。展示ではスツール、テーブル、照明、洗面ボウルなど、石という素材の新たな可能性を探求した作品群を紹介。展覧会タイトルの「INTO THE STONE」には「石を理解するのではなく、石の中へ入り込むように向き合う」という意味が込められている。
飯島直樹
武蔵野美術大学工芸工業デザイン専攻卒業。スーパーポテトにおいてバー・ラジオ、OLD NEW、無印良品青山などを手がけた後、1985年に飯島直樹デザイン室を開設。世界の中で独自の展開を遂げる、1960年代末以降の日本のインテリアデザインの最前線に立った。様々な用途に応じた「空間の身のこなしを発見する」アプローチにより、THE WALL、伊丹十三邸、内儀屋、5Sニューヨーク、blupondソウル、ほぼ日刊イトイ新聞事務所、PMOオフわゆゆわんのんィスビル、工学院大学ラーニングコモンズ、ショールームSTONESなど、国内外の空間デザインに携わる。著書に『飯島直樹のデザイン「カズイスチカ」臨床記録1985-2010』(2010年)など。
AATISMO
建築家・デザイナーである海老塚啓太、工業デザイナーの中森大樹、建築家の桝永絵理子の3人によるデザインチーム。アートとテクノロジー、原初と未来、そして野生の思考と科学的思考の融合を図り、建築・デザイン・アートなど分野を横断した活動を通じて様々な物事の本質的価値を探求している。「ハニヤスの家」の設計でも知られる。
DAIKI TADO
物質を取り巻く環境や、物質そのものがもつ性質を多角的に観察、実験、応用することで、「もの」の新たな意味合いや機能の掘り起こしを模索する。また、そういった背景の中で制作されたオブジェクトを、社会や既成概念に対するひとつのシナリオとして機能させることを目的としている。近年は、デザイン行為そのものを、ユーザーと鑑賞者のあいだを往来する未分化なツールとして捉え、多方面のプロジェクトにあたっている。デザインコレクティブ MULTISTANDARD のメンバー。DESIGN TIDE TOKYO 2024にも出展し話題に。
SUPER RAT
デザイナー長澤一樹が東京で設立したデザインスタジオ。日本各地に根付く素材や文化、その背景にある歴史や風土と向き合い、本質的な価値を現代の視点から読み解いている。工芸技法や意匠を表面的に引用するのではなく、素材の物性や地域に受け継がれてきた技術、職人の知恵をデザインへと再構築し、プロダクト、家具、空間へ展開する。
文化を保存する対象としてではなく、時代とともに新たな意味と価値を獲得し続けるものとして捉え、地域文化を現代社会へ接続し、その継承と発展を目指して国内外で活動している。2025年サローネサテリテ・アワードにて最優秀賞を受賞。
「LOGISTICS」
所在地:茨城県笠間市稲田3888-4
オープン日:2026年10月5日(月)
用途:ギャラリー
面積:180㎡
空間デザイン:飯島直樹デザイン室(IIJIMA DESIGN)
企画・運営:松下産業株式会社
「INTO THE STONE」展
会期:2026年10月5日(月)~
参加デザイナー:AATISMO + DAIKI TADO + SUPER RAT
キュレーター:飯島直樹
企画・制作:松下産業株式会社
松下産業株式会社
1939年創業の石材専門企業。天然石の調達、加工、販売、施工、メンテナンスを一貫して手掛けるとともに、東京・大阪・福岡・仙台にショールーム「STONES」を展開。本社ビル内には石のライブラリー空間「STONES lab」を開設するなど、石文化を発信。LOGISTICSは、その活動をさらに発展させる新たな拠点となる。採石場の麓という場所性を活かしながら、展示、研究、出版、交流、デザインプロジェクトを通じて、日本の石文化を国内外へ発信していく。
https://www.mts-kk.co.jp/







