THE FARM スロウマウンテン成田

人と土の親和性を体感するグランピング空間

 

施設名にあるFARMとは「農園・耕作」といった意味です。ここでは農業体験という「土いじり」がサービスの基幹ゆえに「土」を感じられる施設にするのが相応しいと考えました。更に約3.5万㎡の広い敷地も踏まえ、単なる「土感」だけでなく「人と土の共存のストーリー」まで表現したいと思いました。まず中央に全長100mに及ぶ蛇行した川を作りました。上流には岩を配し、水草を茂らせました。下流に向かって岩は石や砂となり、微生物や虫、植物によって肥沃な土が形成されていく様を作りました。そこにテントを配置して、人と土との親和的で原始的な姿を表現しました。コテージの外壁は土をイメージした素材と工法で仕上げ、内壁は珪藻土の壁紙で仕上げています。これらを通して、テントという非建築から建築へと居住空間が進化しても、人は土と共存している文明的な姿を表現しました。レセプション棟は土をイメージした茶褐色の木を主体に、自然素材とモダン家具を合わせてホテルとしての温かさと洗練さを両立させています。
棚にディスプレイされた壺や皿は土を成形して出来た品々であり、壁にディスプレイされた品々は土に育まれた草木が原料の日用品や調度品です。これらを通して、人と土が共存している文化的な姿を表しています。サービス・ランドスケープ・建材・インテリアコーディネートに至るまで、土の姿を巧みに変えつつ「人と土の共存のストーリー」を創出しました。(横井慎一郎/ハイジクリエイティブパートナー

 

 

「THE FARM スロウマウンテン成田」
所在地:千葉県成田市前林818
オープン:2025年3月1日
クリエイティブディレクション、トータルデザイン:ハイジクリエイティブパートナー 横井慎一郎
設計、施工:ナリコー 相馬裕一 林 真雄
ガーデンデザイン・水景デザイン、施工:緑演舎 大山雄也 槙田法子
家具設計、製作:seia 伊藤俊司
インテリアコーディネート、デコレーション:イン 伊吹絵理 杉山かをり
照明計画:パナソニック 笹瑞生 小林和夫
ロゴマーク:ザ・カンパニー 橘 啓介 相村 満
レリーフ製作:ジェネレーションエックス 梅岡敦武 関 太輔
敷地面積:約35,000㎡
客室数:40室
Photo:アクトグラフィー 大越邦生

 

【内外装仕様データ】
〈レセプション棟〉
内床:塩ビタイル(ボードサンゲツ
内壁:クロス(サンゲツ) 塗装(ジョリパット/アイカ工業) 磁器タイル(平田タイル
内天井:クロス(サンゲツ) 木パネル(ニッシンイクス
外壁:左官(ゲーテハウス
外床:磁器タイル(ダイナワン
〈コテージ〉
内床:複合フローリング(ボード
内壁・内天井:クロス(サンゲツ
外壁:左官(ゲーテハウス

 

横井慎一郎/ハイジクリエイティブパートナー
ハイジクリエイティブパートナー 代表取締役、デザイナー。武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科卒業。ハウスメーカー開発部・家具メーカー設計部を経てインフィクス勤務。2007年、ハイジクリエイティブパートナー創業。2017年、株式会社ハイジクリエイティブパートナー設立。ホテル・美容室・クリニックなどのホスピタリティー空間の設計デザインを多く手掛けている。

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
   
お手掛けの物件や、新製品・イベントなどの情報は下記フォームよりご連絡ください。情報はこちら  

広告掲載について