JINS 秩父店

木の温かみやシンプルな素材感が生み出す心地よい空間

 

埼玉県秩父市郊外のスーパーマーケットの敷地内に建てられた、アイウエアブランド「JINS」のロードサイド店舗です。緩やかな勾配の片流れ屋根を持つ木造の建物を計画しました。西側に2mほど突き出した軒の下にはエントランスアプローチを配置。また、それらの前面にはシルバーティーツリーやシマグミ、ロシアンオリーブなどの様々な種類の低木・中木を植えています。建物の構造は、建設コストや施工の容易性を考慮し在来軸組工法を採用しました。什器寸法や通路幅などから割り出された2325mm×4200mmのグリットを基準とすることで、柱が動線や什器レイアウトを妨げることのない計画となっています。柱や梁、野地板に加えて垂木と合板を組み合わせた島什器など各所で木質素材を多用しつつも、床のモルタルや壁面塗装のグレーをバランス良く組み合わせることで、牧歌的な雰囲気にならないように配慮しました。東西に設けた開口部を極力大きく取ることで、透明性の高い開放的な空間を実現しています。装飾的な処理ではなく、木質の温かみや無機質なグレー、透明感など建築的な要素を最大限活かすことで、シンプルで居心地の良い商空間となることを目指しました。(TYRANT Inc. + Cloud10 design)

 

 

「JINS 秩父店」
所在地:埼玉県秩父市下宮地町15
オープン:2025年3月27日
デザイン監修:TYRANT Inc. 松葉邦彦
インテリアデザイン:Cloud10 design 伊藤智幸
建築面積:205.74㎡
延床面積:199.58㎡
Photo:高木康広

 

【内外装仕様データ】
床:土間コンクリート金鏝仕上げ+表面強化剤塗布(SKバリヤーコート/エスケー化研
壁:木下地+PB12.5下地AEP塗装
天井:野地板現し
家具・什器:木、ポリエステル化粧合板(アイカ工業
その他:ガルバリウム鋼板(ラジアールルーフ/元旦ビューティー工業

 

松葉邦彦/TYRANT
1979年東京生まれ。東京藝術大学大学院修了後、事務所勤務を経ることなく独立。独学で設計実務を学び、人生で初めて設計した建物が公共の文化施設(旧廣盛酒造再生計画/群馬県中之条町)という異例な経歴を持つ。また、同プロジェクトでは芦原義信賞優秀賞やJCD DESIGN AWARD新人賞など国内外の建築賞を受賞し注目を集める。「浮かせる」「歪ませる」「尖らせる」といった設計手法で新たな価値を生み出す建築の実現を目指しており、その思想・作品は現代アートに通ずるものがある。アートコレクターとして「EUKARYOTE」、「MARUEIDO JAPAN」で自身のコレクションを展示する「MATSUBA COLLECTION」を開催。

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