TEA HOUSE TSUBAKI

柔らかい素材感と造形に囲まれた場所から広がるお茶を楽しむひととき

 

「TEA HOUSE TSUBAKI」は、京都のJR二条駅に隣接する商業施設「二条Bivi」の1階に位置する。店舗は「椿堂」という名で、京都・伏見の本店を含め3店舗を運営。今回、煎茶や抹茶と共にお菓子を愉しんでいただくための空間として商業施設への出店初となった。1階のメインエントランスを入ると正面に見える位置が区画エリアであり、全く壁を背負わない、なおかつ俵状の中島区画での設計となった。そのため、厨房の配置には特に難儀したが、角のない丸みを帯びたコーナーの左官壁を設けること、また俵状の区画に沿う形で、置炉釜を掘り込んだ円形の炉縁カウンターにより、店舗としての顔を作り上げることができた。内装の建具には、細めのホワイトアッシュの無垢材を使用し、木目椿堂のイメージカラーである少し燻んだ色味の紅い絨毯を差し色に入れている。照明は過剰に入れず、左官の壁面は間接照明により、柔らかさと繊細さを表現した。中島にありながらも、店舗の周囲を流れる人たちがふと足を止め、ゆっくりとお茶を飲み、あたたかく穏やかな気持ちでくつろいでいただけるお店を目指した。(田中陽子

 

 

「TEA HOUSE TSUBAKI」
所在地:京都府京都市中京区西ノ京栂尾町017 1階
オープン:2025年6月22日
設計:合同会社田中陽子デザイン事務所 田中陽子
床面積:68.2㎡
客席数:25席
Photo:Shimomura Photo office 下村康典

 

【内外装仕様データ】
床:塩ビタイル貼り(シンコール) 小上がり席/タイルカーペット(サンゲツ
壁:PBt12.5下地左官仕上げ 乾式パネル工法(ジョリパットアート/アイカ工業
天井:既存施設天井クロス貼り
その他:家具/木目メラミン化粧板仕上げ(アイカ工業) 格子パーティション/ホワイトアッシュ無垢材

 

田中陽子/合同会社田中陽子デザイン事務所
1983年鳥取県生まれ。2005年鳥取環境大学環境デザイン学科卒業。設計デザイン事務所勤務後、2011年、合同会社田中陽子デザイン事務所設立。大阪工業大学 非常勤講師。スペースデザインカレッジ 非常勤講師。近年、大阪メトロの飲食店舗「METRO CAFÉ KARATO SHINSAIBASI」などの設計を手がける。

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