NSK MUSEUM
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「解剖展示による製品性能の顕在化」
歯科医用の医療機器、ハンドピースの製造を手掛ける企業「NSK」の本社オフィスR&Dセンター内にある「NSK MUSEUM」および「工場見学通路の展示」を計画した。 歯科医院で誰もが耳にしたことのあるであろうキーンという機械音は、患者のストレスとなる。 この音を最小限にするため、NSKの製品は一つひとつの部品が0.001mm単位でデザインされている。その精細さや技術力をいかに伝えるかが課題となった。
展示コンセプトは、「解剖」。情報を正確に伝えるだけでなく、製品をさまざまな視点で読み解き、技術力の高さやデザイン思想、企業姿勢などを15のレイヤーに分けて可視化した。外観から見る形状そのものの美しさと機能性、患者の恐怖心を最小限に抑えるモーター音、幾つもの部品でできている原材料の多様性、歯車の仕組み、手触りに拘った素材感などである。それらを通じて一つの製品を多角的に訴求することができた。
一方工場見学通路については遠くの製品製作過程を間近で体感できるよう通路上に分解パーツをショーケースにて展示するとともに、パーツそのものの精巧さを訴求するために超接写拡大写真を壁面に展開。両施設における個と群を組み合わせた展示手法により、製品の素晴らしさを効果的に顕在化させB to Bショールームとして、最大限に販促効果を高めることができた。

 

NSK MUSEUM

所在地:栃木県鹿沼市
オープン:2018年10月
床面積:900㎡
撮影:ナカサ&パートナーズ 河野政人
Designer:

大西 亮 乃村工藝社 ○プロフィールへ