Outdoor

今回のキーワードは「Outdoor」です。植物や湖、山などの自然を思う存分堪能できるよう、独自の視点で、趣向を凝らした空間を特集する3冊を紹介します。

 

1. dwell  6月号 (No. 6 )

dwell coverアイデンティティ、創造性、そしてハーモニーをテーマにした住宅を、実例を交えて紹介する「dwell」。住まいづくりの基礎知識、低価格で実現する理想の家など、“読者が住む家”をイメージしながら、比較的参考にしやすい住空間を提案しています。インテリア家具の比較検討なども充実。レイアウトもセンスが良く、ライフスタイル・マガジンとしても楽しめる一冊です。
「Kids and Play」(P.84)では、子供たちが思い切り遊べる庭が特徴的なカリフォルニア北部の住宅を紹介しています。“アート”と“キッズ”の二つの言葉をコンセプトとしたこの家は、庭全体を、子供たちが自由に探検できる場所にすることが大きなポイントとなりました。植物を通して知る様々な探検を楽しむこと、そして遊びながら考えたり思いついたり、自由な発想を育てるアートも大切な要素と考えました。そこで、どちらの要素も兼ね備えたイングリッシュガーデンを家の周りを囲むように作る、というアイデアに辿り着きました。
エントランスにはシダ系の植物など緑が広がり、マグノリアの木が鮮やかな色を放ち咲いています。そこにはあえて家と外の境界が曖昧になるよう、家のウッドフローリングから庭に繋がったウッドデッキがあります。子供達がロープを伝って登れるよう、ちゃんと遊びも取り入れています。家の南側には竹林を通り抜ける涼しげな小道が続いていたりと、庭を彩る植物の種類も季節を感じられるよう配慮されています。また赤いベリーや黄色いアカシヤの花とともに、曲線が美しいミニマルな彫刻が配置されており、植物と同じ場所に彫刻を置くというイングリッシュガーデンの主要素を取り入れています。土を盛り上げて作られた幾つかのマウンド・プレイスもあり、芝で覆われたマウンドを歩いていくと、そこに現れたのはトランポリン。ジャンプをしながら、広大なカリフォルニアの丘を見渡すことも出来ます。
子供たちが新しいゲームを考えたり、これまでにない世界を発見できる環境。この家は自然とアートが与えてくれる好奇心や探究心に満ち溢れていて、決してそれに飽きる事はないのでしょう。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-141000

 

 

 

 

 

 

出版国:アメリカ
ジャンル:インテリア/ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥1,600(税抜)

 

 

2. INTERIOR DESIGN homes  春号(No. 2)

homes cover洗練されたインテリアデザインや、ユニークなコンセプトを持つ商空間を中心に紹介する雑誌として定評のある「INTERIOR DESIGN」。特別号となる本誌は、タイトルの通りhomes=住居に焦点を当てています。ここではいわゆる街中の住居というより、広大な自然の中にある家や独創的な外観、インテリアなど、テーマ性のある家を取り上げているのが特徴的です。
「from the outside in」(P.136)では、テキサスのマーブル・ホールズという地域にほど近い所に建つバケーションハウスを紹介しています。湖が一望できるデッキ付きのボートハウスから後ろを見ると、オークの木が生い茂る小高い丘が広がります。水と土のどちらも同じように満喫できる空間を作りたいという建築家Ted Flatoのコンセプトを実現させるため、ボートハウスから120フィート(約36.5m)の高さに位置する丘の上には3階建てのメインハウスを作りました。そこからは遮るものもなく水平線まで見える湖と緑豊かな丘の両方を眺める事が出来ます。
壁の代わりに大きな窓を使用した最上階のリビングルームは、空から降り注ぐ太陽の光で満たされ、自然の光と共に、明るく静かな時間を過ごすのに最適な空間となっています。各階にはゆったり寛げる広さのポーチもあり、湖を渡ってくる風が、ポーチを通り、オーク林の丘に抜けていく心地よさを存分に味わえます。インテリアは、ミッドセンチュリーの家具と共に育ったというクライアントの意向に合わせ、1950年代の家具も使用しています。例えば1階の湖岸をイメージした砂地の吹き抜けには、大きな花崗岩のコーヒーテーブルと共に1956年に制作されたTadao InouyeによるKantan lounge chairが置かれており、涼しげで開放感のある空間を演出しています。
青く広がる湖と緑溢れる丘、空と太陽。この場所だから実現した、大自然の恵みを贅沢に取り入れたバケーションハウスは、訪れる人々の心も体も健やかにするパワーが宿っています。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-041007

 

 

 

 

 

 

出版国:アメリカ
ジャンル:インテリア/デザイン
テキスト:英語
本体価格:¥1,810(税抜)

 

3. DHD  Vol. 11 (No. 48)

DHD cover今号は、“Hospitality:おもてなし”をコンセプトとした、ホテルやレストラン、空港、多目的ホール等、人を迎えるための空間を世界中からセレクトし、そのデザイン・コンセプトや空間を取り巻くインテリアを豊富な写真と丁寧な解説で紹介するオリジナリティー溢れるタイトルです。
「Sfiorando il cielo/Slightly touching the sky」(P.70)で紹介されているのは、オーストリアのスキー場Obergurgl/Hochgurglに建つTop Mountain Crosspointです。真っ白な雪山に重厚かつ落ち着きのある佇まいを醸し出すTop Mountain Crosspointは標高2,175mの高さに位置し、レストランやケーブルカーのターミナルKirchenkarbahn、そしてヨーロッパで一番標高の高い所にある美術館としてモーターサイクル・ミュージアム等を兼ね備えた複合施設です。周りの景観との調和を重視した建物は、浮動的で柔らかな曲線から成るデザインにより仕上げられた、トラディショナルなフォルムの2階建てで、外観内観共に木材をふんだんに使用した、自然素材へのこだわりを感じさせる空間となっています。
“トラディショナルなアルペンハウスでありながら、モダンでありタイムレスな建築”をコンセプトに、地元の建築文化でもある切妻屋根の技術を生かしたレストランには、壮大な美しい景色を一望できるテラスがあり、ゆったりと全280席を用意。訪れる人々を心地よい寛ぎの世界へと誘います。そして一番の見所としては、2,600㎡の面積に170以上の歴史的なモーターサイクル・コレクションが集まるモーターサイクル・ミュージアムです。1914年代、1926年代のハーレー・ダビッドソンをはじめ、30年代~50年代のアイコニックな名車を展示。また最も古い1905年製のチェコのモーターサイクルlaurin & klementを見ることができる貴重なミュージアムです。
オーストリアのスキーエリアの中で最も有名な場所の一つであり、‘アルプスのダイヤモンド’とも表現されるObergurgl。そこに誕生したもう一つのレジャースポットTop Mountain Crosspoint。最新の技術と洗練されたデザインのケーブルカーに乗ってスキーとミュージアム&レストランへ。大自然の中で体験する動と静の世界は、一生の宝物となることに違いありません。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-201500

 

 

 

 

出版国:イタリア
ジャンル:ホテルデザイン
テキスト:イタリア語/英語併記
本体価格:¥3,200(税抜)

 

【入荷情報】 ICON  6月号 (No. 156)

icon coverライフスタイル/建築/デザインをテーマに、世界の建築家やデザイナーのインタビューから、最新の建築や注目のカルチャー情報を中心に、書籍や映画、製品や展示会の紹介/批評なども掲載する「ICON」。今号では、3月末に死去されたザハ・ハディド氏に敬意を表し「Hadidscape」(P.70)と題した特集を掲載。2010年に本誌で、表紙と巻頭特集を組んだ時の記事と併せ、歴史に残るハディド氏の代表作を写真とテキストで辿ります。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-282500

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:イギリス
ジャンル:建築/インテリア/デザイン
テキスト:英語
本体価格:¥2,170(税抜)

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

 

domus

今回は、イタリアの歴史ある建築雑誌「domus」の1,000号発売記念を祝し、いつもより多めの画像と共に、1,000号ならではの魅力あふれる貴重な特集記事と、別冊付録「ミラノ・トリエンナーレI-XX」について紹介いたします。

 

domus  3月号 (No. 1000 )

domus 10001928年、ジオ・ポンティによる創刊以降現在に至るまでの88年間、世界のアイコンとなる建築を中心にデザインやアートを紹介し続けてきた「domus」が、この3月号で1,000号を迎えました。記念すべき今号では、これまでの足跡を、歴代のカバーデザイン紹介、ゲストエディター達による特別編集ページ、そして1928年から2016年までのイタリアンデザインの代表作100点の記録という三つの特集で辿る、貴重な一冊となっています。
最初の特集では、膨大な資料を元にポイントを押さえながら、「domus」創刊立ち上げから権威ある建築誌というステイタスを築き上げた背景をまとめています。そこには、なかなか目にすることのない創刊号をはじめ、現在に至るまでのカバーデザインの代表作100点を年代ごとに紹介するアーカイブや、ル・コルビュジエ、カルロ・モリーノ、エットーレ・ソットサスといった著名建築家が、当時本誌に宛てた手紙も共に紹介されており、直筆のサインやエスキースもそのまま掲載されています。
数年ごとにゲストエディターを迎え紙面を作り上げるのも本誌の特徴で、二番目の特集では、1979年-1985年、2010年-2011年の二期を務めたアレッサンドロ・メンディーニを筆頭に、1986年-1991年のマリオ・ベリーニや2004年-2007年のステファノ・ボエリ、そして2013年-現在を担当するニコラ・ディ・バティスタまで、全9人の歴代エディターを紹介すると共に、これからの「domus」にむけて、それぞれのアプローチで10ページずつエディションしています。1,000号のために特別に作られたこのページは、自由な発想で思い思いのコンセプトと構成で仕上げられており、歴史を感じさせるものもあれば、アメコミ風のユーモア溢れるストーリーで綴られるものもあり、9人の個性に満ちた9冊の「domus」を見ているようでもあります。
最後の特集は、「domus」で辿る100点のイタリアンデザインです。イタリアの建築家であり、デザイン分野に精通した研究家でもあるベッペ・フィネッシが、イタリアのデザイン遺産に対する敬意を表し、100点のアイコニックな作品をセレクト。本誌で紹介してきた、世界中で愛され続ける秀逸なデザイン/プロダクトを、本誌の歴史に沿って紹介しながら、イタリアンデザインの足跡を振り返ります。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-201600

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

domus supple別冊付録として、今年で21回目を迎えたミラノ・トリエンナーレのこれまで全20回の記録を辿る「LA TRIENNALE DI MILANO I→XX」がついています。国際博覧会として、最後の開催から20年の時を経て復活、今年で21回目を迎えたミラノ・トリエンナーレ。1923年にスター トした第1回から20回まで各回ごとに、代表的なデザイナーや建築家の紹介から、当時の展示の様子や作品写真、トリエンナーレのコンセプトに関するテキス トでまとめられています。1957年の第11回のページでは、クラフトとデザインの関係について取り上げられており、柳宗理と彼の作品バタフライスツール が紹介されています。
今回、本体と別冊付録ともに、英語のテキストが併記されているのも読者には嬉しいポイントです。建築やデザインの歴史を知る楽しみを存分に味わえる保存版ですので、「domus」ファンの方はもちろん、仕事の資料として、個人的な趣味として、書棚に加えたくなる一冊となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:イタリア
ジャンル:建築/デザイン
テキスト:イタリア語/英語併記
本体価格:¥3,100(税抜)

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

 

Gift

今回のキーワードは「Gift」です。こんな贈り物をもらったら嬉しい、と思えるような2016年のトレンドを取り入れた、注目のアイテムやショップを特集した3冊を紹介します。

 

1. ELLE DECORATION (UK) 2月号 (No. 282 )

ELLE DECOR UK cover今月は一冊まるごと2016年春/夏のトレンド特集号。新しい素材やエコ・トレンド、家具やキッチンのマストアイテムに、新コンセプトのショップやキャンペーン、話題のスポットや展覧会など、様々なジャンルにわたり2016年春/夏のスタイルやデザインを紹介しています。
「IRISH DESIGN」(P.52)では、かつてウォーターフォード・クリスタルやベルファースト・リネン、ドネガル・ツイードで知られたアイルランドが、最近ではコンテンポラリーデザインの地として注目されている現状を、3組のデザイナー達の作品を通して伝えています。素朴で温かみのある、ブナやオークなどの木材や陶器のホームウエアを中心に展開するSuperfolk、Hennessy & Byrneによる大理石と地元の石を巧みに組み合わせた、大皿やチーズボードとして使えるラグジュアリーなボードとナプキンリング、象嵌や化粧版といったトラディショナルな技法を使いミニマルで美しい家具をデザインするCillian O’Suilleabhain。どれもシンプルな造形美が際立つ流行に左右されないデザインのため、愛着を持って自分らしく使えるアイテムとなりそうです。
「TRIBAL」(P.110)では、新たな世界基準のデザイン・トレンドとして、トライバルを意識したアフリカン&ラテンアメリカン・スタイルを紹介しています。明るい色調や奇抜なフォルム、枝編み細工(Wickerwork)が特徴的な大胆でユーモアのあるデザインは、リズミカルで明るく楽しい空間を演出してくれます。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-207300

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:イギリス
ジャンル:インテリア/デザイン
テキスト:英語
本体価格:¥1,960(税抜)

 

 

2. Livingetc  2月号 (No. 2)

Livingetc. cover「モダン&スタイリッシュ」がコンセプトのインテリア雑誌「Livingetc」。リビングアイテムを紹介するショッピング・コーナーからトータルコーディネートのアイディア、簡単にできる模様替えやDIY、ガーデニング、不動産、トラベルや料理など、ライフスタイル全般を網羅する一冊です。
「ROUGH CUT」(P.59)では、トレンド・インスピレーションとして、独創的な加工を施した木材の家具やアクセサリーを紹介しています。丸太の曲線を活かしたラフなカットに革の取手を取り付けたブレッドボードや、細くカットした長さの異なる竹を繋げて円形にした照明ROTVIK Pendant、スツールに敢えてデザインされた木目をレーザーカッターで削り出したSADL STOOL、まるで建築模型のようなフォルムをしたトースト立てStilt toast rack、黒く焼いた木板を小さくスクエアカットして、キャビネットの扉全体に貼りつけたデザインが印象的なScorched Shake Cabinetなど。
ユニークなカット技法や、斬新な仕上げ方で展開する木材を使った新たなデザインは、木が持つ温かみのあるテクスチャーに、ちょっとした驚きや面白さを感じさせるビジュアルが加わった、一度で二度もしくはそれ以上楽しめるインテリアとして活躍してくれることでしょう。
また、「NEW SEASON COLLECTIONS The catwalk comes home」(P.51)では、ファッションの2016年春/夏コレクションを参考に、今年のトレンドとなるインテリアをセレクト。Urban ARMYと題した迷彩柄やミリタリーグリーンをコンセプトにしたキャリーケースやソファから、柔らかい素材や淡い色調のピンクを使ったベッドやチェアを紹介するSoft BLUSHなど、ファッションからインスパイアされるインテリアの世界を提案しています。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-071509

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:イギリス
ジャンル:インテリア/ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥1,880(税抜)

 

3. HOMES & Antiques  2月号 (No. 2)

HOMES Antiques coverイギリスを代表する放送局BBCの出版部門、Immediate mediaが発行する「HOMES & Antique」。イギリスの伝統あるアンティークを、現代のインテリアと調和させた絶妙なバランスの空間を提案しています。アンティーク家具や食器などの目利き方法にプライスガイド、注目のオークション情報などのユニークなコンテンツも魅力の一冊。
「Industrial revolution」(P.74)では、ロンドンの郊外ハンプトン・ヒルにある、ビンテージの家具やホームウェアを扱うショップAtticのオーナーAlistair & Deborah夫妻の家を訪れ、ニューヨークやロンドン、地元のフリーマーケットで見つけた家具や食器、時計や地図などのビンテージアイテムで囲まれた空間を紹介しています。元々インテリア業界で働いていた二人がビンテージに魅了されたのは18年前。収集したスチール家具やイスなどをリノベートしているうちに増々その熱が高まり、二人でビンテージショップをオープンさせました。ショップではビンテージ家具と共に、1800年代後期~1900年代初期のポストカードやパッケージ、シアターやミュージックホールのポスターといったエフェメラ(ephemera)も販売しています。
古いものだからこそ醸し出すことのできる重厚感、何処かノスタルジックな感覚を覚えるフォルムや素材、印刷物の味のある独特な色合い。そんなアイテムが家にあったら、多忙な日常から少しだけ立ち止まり、自分の時間と向き合うきっかけを作ってくれるかもしれません。

*Shop information 「Attic 」: http://discoverattic.com/

また、「THE UK’S 50 BEST ANTIQUES & VINTAGE SHOPS」(P.115)では、アンティークのスペシャリストやビンテージファッション・レーベルのファウンダー、インテリアデザイナーなど5人のエキスパート達が、価値あるアンティーク&ビンテージ商品が見つかる、とっておきのショップ50店を紹介しています。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-148009

 

 

 

 

 

 

出版国:イギリス
ジャンル:インテリア/ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥1,820(税抜)

 

【特別号入荷情報】 INTERNI 1/2月号(No. 658)

INTERNI Jan.Feb特集は、ウェブ上で拡散する他者との共有/シェアによるネットワーク・カルチャーや、インテリアのリノベーションとして、テキスタイルや壁紙、セラミックの最新トレンドを紹介しています。
今号は特別に別冊として、イタリアのインテリア/デザイン・メーカーやショップ、ショールームのアドレスをまとめた「DESIGN INDEX 2016」がついています。
8,000店のアドレスを掲載した全260ページのインデックスは、資料として役立つ保存版です。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-280300

 

 

 

 

出版国:イタリア
ジャンル:建築/インテリア/デザイン
テキスト:英語(巻末に主要記事のイタリア語テキスト有)
本体価格:¥3,700(税抜)

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

 

Material

今回のキーワードは「Material」です。身近な木材やガラスをはじめ、これから注目されるであろう新たなマテリアル(素材)の開発や斬新な発想を記事にした3タイトルを紹介いたします。

 

1. ARCHITECTURAL DIGEST (No. 1)

AD coverロサンゼルスを拠点とする代表的な建築誌として知名度が高い本誌は、アメリカを中心に世界各地のセレブリティが暮らす邸宅などを紹介したハイグレードな暮らしを堪能できる一冊で、建築、インテリアデザインのみならず、アート関係の最新記事も掲載しています。
今号は「The AD 100」と題したコレクター特別号で、今最も注目すべき建築家/デザイナー100人をまとめた特集となっています。
カバー写真にもなっている「WINTER WONDER」(P.184)では、ファッション業界でも人気のある建築家ピーター・マリノが、家族のためにロッキー山脈に建てた家を紹介しています。先端が極端に突き出たオーバーハングのバルコニーと両側に広がる部屋のダイナミックなデザインは、鳥が羽を広げて飛び立つ瞬間をイメージしています。屋内はスキーの山小屋のような雰囲気が感じられるようにと、建築素材は杉や漆喰、石板といった数種類に限定することで、周りの景色との調和が生まれ、ピーター・マリノが思い描くスポーティー&シンプルな空間に仕上がっています。中でも外観内装共に木材がふんだんに使われており、リビングの床は再利用のチーク材を使用、天井や吹き抜けの階段と壁はすべて杉で覆われています。特に階段は折り紙を折り重ねたようなエッジのある幾何学的なデザインが印象的です。またエントランスからリビングにかけてディスプレイされた、アンゼルム・キーファーの作品が雪景色に溶け込んで見えるのは、彼の作品に砂や藁といった自然の素材を取り入れているためなのかもしれません。
ピーター・マリノが旅行中に娘と見た、崖の先端から飛び立つ鳥の姿に魅了されて創られたこの家には、まさに壮大な雪山と、鬱蒼と茂る木々に囲まれた大地に降り立った精悍な鳥のような佇まいを覚えます。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-000600

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:アメリカ
ジャンル:建築
テキスト:英語
本体価格:¥1,380(税抜)

 

 

2. IDEAT  12/1月号(No. 119)

IDEAT coverアートとデザインを中心に、CONTEMPORARY LIFEをコンセプトとした世界各国の建築、アート、インテリア、ファッションなどを総合的に紹介する「IDEAT」。
「ID-USINE: Brokis」(P.316)では、照明ブランドBrokis(ブロキス)を特集しています。チェコ共和国の歴史的なガラス工場が、プラハとパリを拠点に活躍するプロダクトデザイナーLucie Koldovaをアートディレクターとして迎え、常に新しい発想を持ったデザイナー達と共にコレクションを作り続けるBrokis。ボヘミアングラスの伝統的な技術を継承する職人の技と、世界で活躍するデザイナーのユニークな感性との融合から生み出されるコレクションの数々は、高品質で洗練された照明デザインとして高く評価されています。またシンプルながら絶妙な曲線で作られた作品が魅力的です。掲載されているLucie Koldova & Dan Yeffetによるサスペンションタイプの照明「Shadow」は、吹きガラスのランプシェードと木を使った作品で、高い技術を要する異素材との巧みな組み合わせがBrokisならではと言えます。そして、ガラスを吹く、伸ばす、削るといった職人たちによる照明の制作風景写真と共に、Brokisの経営者Jan Rabellがブランド立ち上げから今日までの会社の歴史を辿ります。完成した新しいショールームでは、Lucie Koldovaの新作「Light Line」のプロトタイプが重厚かつ美しい存在感を放ち、Brokisのブランドイメージを象徴しているかのようです。
機能的な照明からデザイン重視のユニークな照明まで、絶えず探求心を持ち、才能あるデザイナーとの協働により200年以上の歴史に根差したボヘミアングラスの伝統と高い技術を惜しみなく作品に注ぎ続けるBrokisの照明コレクションは、これからも人々の生活に優しく温かな灯りを届けてくれることでしょう。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-257200

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:フランス
ジャンル:アート/デザイン/ライフスタイル
テキスト:フランス語
本体価格:¥2,530(税抜)

 

3. FRAME  11/12月号 (No. 107)

FRAME cover主に商業空間を中心に、世界各国のインテリアデザイン/建築/プロダクトデザインなど、洗練された最新のデザインを豊富な写真と共に紹介する「FRAME」。その内容の充実度と大胆なエディトリアルデザインが好評で、業界から一般の方まで多くの愛読者に支持されています。
「MATERIAL FUTURES」(P.157)では、素材/材料の有効利用が重要視される今日に着目し、素材の錬金術的アプローチや新たな素材活用法として進行中の五つのリサイクルの可能性を紹介しています。
中でも二番目に紹介されている「STIMULI SENSITIVE」では、圧力や湿気、温度などを感知して様々な変化をもたらす素材を取り上げています。センサー機能を持つ繊維としてグーグルが開発した「Project Jacquard」は、リーバイスとのコラボレーションによりジーンズにセンサー機能付き繊維を織り込み、それを指でタッチすることでスマートフォンや他の装置を操作できるというものです。現在はジーンズというファッションの域ですが、今後は自動車の座席カバーやインテリアのソファやカーテンといった多方面での活用を視野に入れており、プロジェクトは進行中です。また、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの生徒Chao Chenは、乾燥時には開き、濡れると閉じる松かさの特性に注目し、晴れの時は開いて日光を家の中に取り入れ、雨の時は閉じられ室内が濡れないよう傘のような役割が出来る建築材としての展開を構想中です。そして五番目に紹介されている「SECOND LIFE」では、リユース、リペア、リファビッシュ(刷新)、リサイクルといった素材の再生をセカンドライフという言葉で表現し、それらは単に資源を無駄にしないだけではなく、新たな意味と価値をもたらしてくれるものと説いています。例えば、別のかたちで‘作り出す’ことをトレンドとして、ファストファッションのH&Mがお客様から古着を回収。それらを利用して出来たリサイクルコットンを使用したデニムコレクションを発表したり、わかり易くリサイクルの仕組みと価値を知る方法として、アムステルダムではプラスチックのリサイクルを推奨。そこに報酬システムを取り入れ、登録した人は利益を得ると共に、リサイクルで出来るカラフルなブロックの作り方を学び、それらが実際に公園のベンチ等、公共施設で利用されるプロセスを知ることができるのです。また、nendoがイタリアのマテリアルメーカーAlcantaraの布を加工して板材にした「Alcantara-wood」も紹介されています。
イメージから既成の素材を用いて創り出すデザインがあれば、一度使われた製品を用いて新たなかたちを生み出すデザインもあります。どちらも生活を豊かにするものですが、今後は一層後者のデザインの大切さを実感していく時代となることでしょう。
その他日本のクリエイターは、「Feet of Clay」(P.100)にて関祐介が内装を手掛けた波佐見焼のブランド「HASAMI」を展開するマルヒロの直営店が、「Hanging by a Thread」(P.110)にて「ミネ・ペルホネン」のデザイナー皆川明による青山のスパイラルガーデンでの展示風景とテキストが、「Global Overhead」(P.128)にて伊東豊雄による岐阜の市立図書館「みんなの森ぎふメディアコスモス」が紹介されています。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-248300
*こちらはウェブショップ販売終了後も新宿南店6Fにて1月上旬まで販売しております。

 

 

出版国:オランダ
ジャンル:インテリア/デザイン
テキスト:英語
本体価格:¥3,150(税抜)

 

 

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

Pattern Design

今回のキーワードは「Pattern Design」です。グラフィック、インテリア、ファッションの異なるジャンルでのパターンデザインについて特集している3タイトルを紹介いたします。

 

1. IdN -International design Network-  vol. 22 (No. 4)

IdN cover空間、グラフィック、環境、インタラクティブ、パターンなど、世界中で生まれる優れたデザインを、テーマに合わせて紹介していく香港のデザイン誌。今号は「identity, pattern, etc.」をテーマに、生活の中の様々な場面で目にするパターンデザインについて特集しています。パターンデザインとは、いつ活用するものなのか、何のために使うのか、そしてそれらのパターンはどのようにデザインされるのか、15組のデザイナーがその問いに答えています。
イギリスのグラフィックデザイナーWilliam Brantonは、秀逸なパターンデザインが生まれる要素は、入り組んだ複雑なパターンから成り、非常に精巧に作られたものであると説いています。加えて鮮やかな色彩とのバランスが最も視覚的で刺激的だと考えています。自然が生み出す形に興味を持っており、個々には微妙な違いがありながら、実は同じスタイルを持っている事が、パターン全体をより面白いデザインへと導きます。また、見る距離により全く違うデザインをイメージさせることができるのも、パターンデザインの魅力だと語っています。William Brantonは自主制作プロジェクトとして、368ページ全てパターンデザインで構成された本も制作しており、その一部が紹介されています。ポーランドのグラフィックデザイナーKamil Piatkowskiは、パターンデザインの魅力について、個の要素を組み合わせることで様々な新しい形へと変化していき、創造への無限の可能性を持っている事だと語っています。黒と白のクラシックなカラーコントラストから成るパターンを好み、黒と白のコンビネーションでシックに構成されたパターンデザインは、シンプルながら、まさに変幻自在のイメージへと繋がっていきます。

その他の注目記事「CREATIVE COUNTRY SINGAPORE」(P.41)では、世界の主要なコマーシャル・ハブの一つとなっているシンガポールのデザイン事情を紹介しています。国内でデザインをする上での多くの障害が無くなりつつある今、Foreign Policy DesignのディレクターであるYah-Leng Yuをはじめ、シンガポールのデザインシーンがより洗練され成長していく事への希望と活気で満ち溢れているデザイナー達のエネルギーあふれる作品を堪能してみてはいかがでしょうか。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-282300

 

 

 

 

 

出版国:香港
ジャンル:デザイン
テキスト:英語
本体価格:¥2,800(税抜)

 

 

2. marie claire maison   10月号(No. 480)

marie claire maison coverカップ&ソーサーやクッションといった小物から、ソファーやベッドなどの家具まで、住まいを快適にするアイテムや身体に心地よいものをメインに提案するのが「marie Claire maison」。フレンチテイストの洗練されたインテリアながら実際に使えるアイデアも多く、ビジュアルだけでも楽しめる一冊です。またインテリアの他にもガーデニング、料理、旅行に関する興味深い記事も掲載しています。「Rock the medina」(P.92)では、日本でも商品展開されている、フランスのデザイナー兼デコレーターPhilippe Xerri(フィリップ グゼリ)の家を紹介しています。現在、制作と生活の拠点となっているチュニジアの家は、ユネスコの世界遺産にも登録されている歴史的な場所メディナにあります。圧巻なのは、ビンテージのバロックデザインのタイルで埋め尽くされた室内の壁です。鮮やかな色彩の組み合わせと、曲線使いで描かれた装飾的なパターンデザインのタイルは、室内を華々しくも優美な雰囲気で満たしており、伝統的なアラブの文化が色濃く残るメディナならではの空間演出とも言えます。タイルデザインは幾つかパターンが異なり、欠けた部分に違うタイルが埋め込まれているのもアクセントになっていて、それぞれ違った表情を見せてくれます。そして各部屋のタイルデザインに合わせて、チュニジアのフォークロアとコンテンポラリーな感覚をミックスさせたPhiilippe Xerri自身のブランド「Rock the Kasbah」の家具や彼がセレクトしたアートがディスプレイされています。
歴史を刻むバロックタイルとPhilippe Xerriの家具との調和は、新旧デザインのどちらも息づく絶妙なバランスで構成された、心地よく温かみのある家を育み続けています。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-220000

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:フランス
ジャンル:インテリア
テキスト:フランス語
本体価格:¥1,830(税抜)

 

3. Living  9月号 (No. 9)

Living cover世界のデザイナーやアーティストが住むインテリアの紹介を中心に、ホテルやレストラン、観光やイベントなど、毎号それぞれの街で見かけたデザインに注目しながら、魅力ある都市を旅するデザインツアーの記事も楽しめる「Living」。イタリアの雑誌ですが、巻末に英語のテキストがついているのも嬉しい本誌の特徴です。
「DESIGN TALENT: Pierre-Marie Agin」 (P.86)では、今フランスで最も才能あふれるデザイナーの一人Pierre-Marie Aginを紹介しています。主にスカーフやラグ、テキスタイルデザインを手掛けており、アートを学びつつフリーランスでアニエス・ベーやイッセイ・ミヤケとコラボレーションをしていたこともあり、2008年にはエルメスのデザイナーに抜擢され、これまでに15種類以上のスカーフをデザインしています。彼が描いた幾つかのドローイングはインテリアやクラフトデザインの美術館で知られるMusée des arts décoratifs de Parisのコレクションにもなっています。デザインをする上で影響を受けるものとして、フォークロアや伝統、しきたり、自然や動物、マンガや映画、建築や考古学と語っており、それらをモチーフにイメージを膨らませ完成したパターンデザインは、デコラティブで色彩豊かな印象が特徴的で、華やかさと共にエレガントな雰囲気を醸し出しています。子供の頃、両親がパリの美術館や植物園など様々な場所に連れて行ってくれた後には、いつも自分の小さな部屋でその時のイメージをドローイングしていたと言うPierre-Marie Agin。そんな彼の作品は単なるパターンデザインに留まらず、そこから始まる楽しげな、ときに神秘的な物語を含んでいるようにも感じられます。

その他の注目記事「DESIGN GURU :nendo」(P.96)では、現在400ものプロジェクトを抱え、日本と海外を目まぐるしく行き来する佐藤オオキが、仕事への考えや進め方、草月会館にあるnendoの新しい東京オフィスについて語っています。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-289100

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:イタリア
ジャンル:インテリア/ライフスタイル
テキスト:イタリア語/英語
本体価格:¥2,420(税抜)

 

 

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

Made in Australia

今回のキーワードは「Made in Australia」です。意外と知られていないオーストラリア雑誌の洗練されたセンスの良さを存分に楽しめる3冊を紹介します。

 

1. Peppermint  春号(No. 27)

peppermintSTYLE, SUSTAINABILITY, SUBSTANCEの3つの言葉をコンセプトに作られる本誌は、オーストラリアをはじめ世界各国のハンドメイドを中心とする、エコでエシカルなライフスタイルを提案しています。そしてデザインやファッションと共に、社会や環境についてのトピックも積極的に取り扱っています。
UNDER THE SEA (P.41)では、80歳の女性アクアノートSylvia Earleの活動について書かれています。アクアノートとは、長期間海中基地で生活し海洋調査をする潜水技術者のことで、Sylvia Earleは50年のキャリアを持ち、約7,000時間、海の中で過ごした経験を多くの著書や世界各国での講演で発表しています。彼女が代表を務めるNPO「Mission Blue」を通して、海の保護区域(彼女は‘hope spot’と呼んでいます)のグローバル・ネットワークを作る取り組みを進めています。
THE ALCHEMIST (P.74)では、メルボルンで自身のブランド「Alchemy」を立ち上げたBelinda Evansを取り上げています。学校で環境について学び、社会科学の知識を身に着けた彼女は、木の枝や種、花などを使ったハンドメイドのジュエリーや、植物の色で染めたウールやファブリックを使ったプロダクトを制作しています。両親がいつもハンドメイドで何かを作っていた環境で育ったためか、もの作りは彼女にとって必然だったとも言えます。自然を愛しその恵みを形にすることで生まれる彼女の作品コレクションには、彼女自身で創り上げる喜びに満ちた生活が反映されています。
SACRED GROWND (P.92)では、カバーになっているAmanda CallanとAndrew Morrisの夢をかなえた家を紹介しています。1930年代に建てられたかつて教会だった建物を、自分たちの手で木の素材を活かしたナチュラルなインテリアにリノベーションしました。昨年には「Church Farm General Store」というオンラインストアを立ち上げ、自家栽培の野菜やハーブ、ハンドメイドの商品を販売しています。二人らしい生活をするために移り住んだ新たな場所で、思いがけずビジネスがスタートしたその経緯が綴られています。
SLOWLY DOES IT (P.62)では、世界のペースに流されるのではなく、自分の時間を軸にスローライフを送る人々を特集しています。フード、ビジネス、クラフトなどのカテゴリーがある中、ファッションでは現在オーストラリアでアイコニック的なデザイナーである五十川明(いそがわ・あきら)が制作する、ナチュラルなファブリックと日本のコンテンポラリーデザインからインスパイアされたファッションに注目しています。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-302500

 

 

 

出版国:オーストラリア
ジャンル:ファッション/ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥2,200(税抜)

 

 

2. fête  冬号(No. 12)

FETEA celebration of lifeというサブタイトルを持つ本誌は、家族や友人のこと、キャリア、食事(food)、音楽そして家のことなど、シンプルかつすぐに実践出来るようなアイデアを通して、忙しい日々にちょっとした楽しみや喜びを見つけることの大切さを教えてくれる一冊です。
クリエイター達の仕事や家での過ごし方についてのインタビューや、その他のバラエティに富んだ記事には、より充実したquality of lifeを送るためのヒントがちりばめられています。
今号の特集は、3組のクリエイターによるビジネスサクセス・ストーリーです。彼らの成功の裏にある、それぞれのユニークなワーク&ライフスタイルを覗いてみましょう。
AT HOME WITH/ANNY DUFF (P.64)では、2012年に自身のファッションブランド「B Goods Label」を立ち上げたAnny Duffにインタビュー。オーガニックかつ環境に優しい素材を使い、地元での制作にこだわり仕上げたファッションは、シンプルながら袖や裾の長さが特徴的で、着心地の良さを感じさせます。パートナーのAdrian Reveruzziと共に生みだされる「B Goods Label」のファッションのこと、ワークスペースについて、二人で暮らす家での過ごし方、仕事と生活をバランス良くキープするアドバイスなどについて語っています。また、お気に入りのスイーツレシピやファッション、愛用しているチェアやテーブルなども紹介しています。
AT WORK WITH/AMBER CLOHESY (P.80)では、メルボルンを拠点に「Down To The Woods」と「The Woodsfolk」というインテリア雑貨の卸や小売りを展開するAmber Clohesyにインタビュー。紙面でも紹介されている、ポップなカラーに斬新さとユーモアを含んだ商品のセレクトは彼女ならではのセンス。そしてビジネスの“オペレーション・ブレイン”である夫Benのサポートがこれらブランドの底力となり、オーストラリア国内へと広がっています。
二つのブランド経営のこと、扱う商品の中で気に入っているもの、子供を育てながら働くことについて、自身の生き方で子供たちに伝えていきたいこと、将来のプランなどの質問について答えています。
テーブルを囲みスタッフ皆で過ごすランチタイムも印象的で、お気に入りのチョコレートを使ったレシピも紹介しています。
AT HOME WITH/MARNIE GODING (P.96)では、デザイン・レーベル「Elk」を運営するデザイン・デュオAdam Koniaras と Marnie Godingにインタビュー。元々ジュエリー業を成功させていたAdamにクリエイターのMarnieが加わり、ジュエリーとレザーアクセサリーからスタート。現在ではファッション、お皿やカトラリーといったホームウェアもデザインしています。二人のデザインスキルとビジネスに関する洞察力は、今後のインターナショナルなブランド展開への挑戦に向けて進んでいます。そのビジネス展開の手段をはじめ、ワークスペースの中で一番気に入っている場所、普段の生活パターン、休憩時間の過ごし方、同僚とのコミュニケーションや一緒に楽しむ方法などについて語っています。またファッションなど自身のレーベルアイテムやお勧めのインテリアアイテムも紹介しています。
スタイルは三者三様ながら、自分らしさを大切に無理なく無駄なく生きるということが成功への一つの鍵となっているようです。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-303500

出版国:オーストラリア
ジャンル:ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥2,400(税抜)

 

3. Smith JOURNAL  冬号 (No. 15)

smith世界中の面白い出来事や信じられないストーリー、ちょっと難解だけど興味深い哲学的なテキストや処世術など、人に教えたくなるようなエピソードを集めて紹介するのが「Smith JOURNAL」。
THINKERS, ADVENTURERS, MAKERS, WRITERS, INVENTORSなどなど、普段あまり知る事の出来ない世界を教えてくれる一冊です。
Mingering Mike (P.36)では、100枚以上のアルバムをリリースし、37のレコードレーベルを展開していたソウルミュージシャンのMingering Mikeについて書かれています。これだけの音楽史を残しながら彼を知る人はほとんどいない、という不思議な存在。これは、彼の音楽に出会い人生が変わったと言うワシントンD.C.の私立探偵Dori Hadarの話をもとに、Mingering Mikeというミュージシャンの足跡を辿る物語です。Smithsonian American Art Museumが所蔵するアルバムジャケットのイメージも掲載されています。
Suited for danger (P.56)では、70年代半ばに実在した「Dangerous Sports Club」を取り上げています。
1979年4月1日、世界初のバンジージャンプを成功させたDavid Kirkeを筆頭に、スリルを求めて誰もがやらない危険行為に敢えて立ち向かう者達によって結成されたのがこのクラブ。そのメンバーがオックスフォード大学の学生だったことにも驚きです。実際のクラブ活動(?)の写真と共に、決して真似してはいけないデンジャラスなチャレンジの記録について書かれています。
The mountain man (P. 76)では、オーストラリア、アメリカ、ニュージーランド、カナダなど各国の山脈のランドスケープを描くスキーマップ・ペインターのJames Niehuesを紹介しています。これほど壮大な山頂からのスケールを鮮やかな色彩で表現する方法や技術について書かれています。また付録として、James Niehuesが描いたマウンテン・ランドスケープのポスターがついています。
Park life (P.116)では、イタリアの郊外に自らアミューズメントパークを作ってしまったBruno Zhagisにインタビュー。70年代初頭にレストランをはじめた際、お客さんをより楽しませることができるようにと、小さなプレイグラウンド作りをスタートさせました。様々な出来事を乗り越え、40年以上もかけて遂に完成したオリジナルのアミューズメントパークと共に生きるBruno Zhagisの半生を振り返ります。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-302300

 

 

 

 

出版国:オーストラリア
ジャンル:カルチャー/ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥2,300(税抜)

 

 

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

Quality of Life

今回のキーワードは「Quality of Life」です。世界で最も住みやすい都市は?より質の良い生活を送るために大切な事とは?そんなヒントを与えてくれる3冊を紹介します。

 

1. MONOCLE  7/8月号(No. 85)

MONOCLE cover「MONOCLE」のQuality of Life特集(P.40)では、毎年恒例の「最も住みやすい都市TOP25」を発表。今年は東京がNo.1に選ばれました。2013年はNo.4で昨年はNo.2、そして今年はNo.1と毎年評価が上がっています。その理由はどこにあるのでしょうか。2007年からスタートした本誌のこの企画も、今年から新たに22の評価基準を追加したランキングシステムに変わったことで、ランク外の都市が入ったり、順位が大きく変動したりと、特に見ごたえのあるランキングとなっています。都市環境や治安だけでなく、生活費と関連する家賃やランチの価格、コーヒー1杯の価格や、都市中心部から海/山/湖までどのくらい近いか?といったアウトドアに関する基準も重要なポイントとしています。その中で東京は、美味しいランチが約1,000円(€7.50)で食べる事ができて、都市中心地から約12kmの所に東京湾があり、公共の交通機関はほぼ定刻でその上料金が安いといった点が評価されています。また美術館が131か所、ギャラリーが587か所、図書館が225か所といった文化施設も、他の24都市に比べると多い事が見て取れます。興味深いのは、個人経営の書店(Independent bookshops)という項目があり、東京はなんと1,383店で、他都市より圧倒的に多いのです。本を読む習慣が自然に身につく環境と、近年「小さくても自分らしい店を作りたい」という人達による様々なジャンルの個人経営店が増える中、カフェ併設の書店や、独自目線のセレクト・ブックショップがひとつの流行になっている事が、その数に反映されているようです。反面、ゴミのリサイクルにおいては他都市が平均60%程度なのに対し、23%と格段に低いのは、「最も住みやすい都市」の今後の大切な課題とも言えます。とはいえ本誌では、人に優しく、生活が豊かでパワフルな東京は訪れた者を魅了する、と書かれています。世界の都市の中で東京がNo.1に選ばれたその評価を、ぜひ本誌で確かめつつ、他の24都市それぞれの新たな良さを発見してみてはいかがでしょうか。
ちなみにNo. 2はウィーン、No. 3はベルリン、No. 4はメルボルンと続き、日本ではNo.12に福岡、No.14に京都が選ばれています。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-241100

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版国:イギリス
ジャンル:ビジネス/カルチャー&デザイン
テキスト:英語
本体価格:¥2,100(税抜)

 

 

2. Condé Nast TRAVELLER ITALIAN EDITION  夏号(No. 64)

conde nast cover 質の良い生活という点で、旅行は心も体も豊かにしてくれる究極の時間の過ごし方の一つです。
注目の旅行スポットはもちろん、様々なニーズに合わせたトラベル・アイディアを提案し、その街の歴史や観光、旅先ならではの食に関する情報などを、美しい写真と共に紹介するのが「Condé Nast TRAVELLER ITALIAN EDITION」。今回の夏号は、ベスト・オブ・イタリアと題した、イタリア好きな方や本誌コレクター必見の保存版となっています。ITALIAN REGIONS(P.41)は、イタリア全土、20の地域(州)それぞれの魅力と食文化、訪ねてみたい場所を地域ごとにまとめたユニークなガイドとなっています。ローマやフィレンツェ、ベネチアといった都市の事は多少なりとも知識はあっても、イタリアには20の州がある事はご存じでしょうか?それではここで全州の名前を、記事の記載順にご紹介します。ピエモンテ、バレ・ダオスタ、リグーリア、ロンバルディア、ヴェネト、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア、トレンティーノ=アルト・アディジェ、エミリア=ロマーニャ、トスカーナ、サルデーニャ、ウンブリア、ラツィオ、マルケ、モリーゼ、アブルッツォ、カンパニア、プッリャ、バジリカータ、カラブリア、シチリア、の20州です。一気に辿ってみましたが、例えばバレ・ダオスタには、壮大な自然の恵みを体感できるイタリア最初の国立公園とされるグラン・パラディーゾ。ヴェネトには、毎年夏恒例のオペラ祭で有名なヴェローナの円形劇場(古代ローマ時代の屋外闘技場跡地)。サルデーニャには、1960年代初頭、事業家アガ・ハーン四世がこよなく愛した美しい港ポルト・チェルボ。マルケには、ルネサンス時代の膨大な絵画コレクションを所有するドゥカーレ宮殿内の美術館Galleria Nazionale Delle Marcheなど、どの地域も好奇心を誘う場所ばかりです。そんなイタリアの絶景や象徴的なイメージを、壮麗な写真で表現したのがMAGICAL PLACES(P.171)。イタリアの美しさや大胆さ、静寂や躍動感、洗練された現代と趣のある古き時代が、百枚の写真からなるポートフォリオとしてまとめられています。
本誌冒頭には、全20州と100枚の写真の場所を記した、イタリア全土のイラストマップがあるのも親切で、テキストと照らし合わせてみると位置関係がわかりやすく、イタリアという国をより深く知る事が出来ます。
またテキストは全てイタリア語の横に英語が併記されているので、イタリア語が読めなくても存分に楽しめる一冊となっています。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-280300

 

 

 

 

 

出版国:イタリア
ジャンル:トラベル
テキスト:イタリア語/英語
本体価格:¥1,680(税抜)

 

3. the simple things  7月号 (No. 37)

the simple things coverアップサイクル、クッキング、エンターテイニング、リラックスといったコンセプトをもとに、心地よい暮らしのための時間作りを提案してくれるのが「the simple things」です。
ESCAPE: MY CITY (P. 58)では、ニューヨーク出身でアイスランド在住のフリー・ジャーナリストJenna Gottliebが、自身が住むアイスランドの首都レイキャヴィークのお勧めスポットや過ごし方をインタビュー形式で紹介しています。小さな街ですが、文学やアート、音楽を好む習慣が根付いているため、ブックショップやレコードショップ、美術館は欠かせないとの事。また北極圏に近いため、7月は長い冬を乗り越えたご褒美だとも語っています。自転車に乗って海岸沿いをサイクリングしてはビールを飲んだり、夏至前後では白夜が続くので、真夜中の太陽(midnight sun)の下を散歩したりして過ごすそうです。そんなレイキャヴィークのベスト・ビュー・プレイスはハットルグリムス教会。建築デザインはもちろん、教会の一番上から見る街の景色は絶景だそうです。お勧めのギャラリーは、ローカル・デザインをチェックできるSpark Design Space、数多くの野鳥が生息するチョルトニン湖は必見で、散歩にも最適です。
ESCAPE: BONNES BROCANTES (P.73)では、フランスのユニークなブロカントに注目。ブロカントとは、「(日用品の)古道具」という意味のフランス特有の言い方であり、古くから続く文化でもあります。長く愛され使われた食器や時計など、質の良いブロカントを見つける事ができるリールやニース、リヨンなどで開催されるブロカント市を紹介。開催日や知っておくべき事、値段交渉のためのフランス語も教えてくれます。
BESIDE THE SEA (P.94)では、あるオランダの家族が夏を過ごす、ビーチサイドのセカンドハウスを紹介しています。シンプルな平屋(single-story building)にベッドルーム用の中2階(mezzanine)という作りで、インテリアデザインは全体的に白を基調とした明るい空間が印象的です。家具はこだわりのあるアイテムを必要最小限にすることで、ゆったりとしたスペースを大切にしています。家の中はビーチサンダルのままで歩き回れるよう配慮していたり、入口のウッドデッキスペースでオープンテラスを楽しめるようテーブルとチェアが置いてあるのは、海辺の家ならではの贅沢なアイデアです。洗練された家具やインテリア・コーディネートに明るく開放感のある空間は、海辺でなくても夏の部屋のメイクオーバーにちょっとしたアイデアを与えてくれそうです。
またHOLIDAY READING LIST (P.90)では、タイトル通り休みの日に読みたい10冊の本をご紹介。本を読みながら物語の世界へ旅に出かけてみるのも良いかもしれません。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-275100

 

出版国:イギリス
ジャンル:ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥1,800(税抜)

 

 

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

Milano

今回のキーワードは「Milano」です。今年もミラノサローネ国際家具見本市の季節がやってきました。そして五月からはミラノ国際博覧会Expo Milano 2015もスタートし、通年以上に盛り上がりを見せるミラノのデザイン関連記事をご紹介します。

 

1. ELLE DÉCOR ITALIAN EDITION  4月号(No. 4)

ELLE DECOR cover「ELLE DÉCOR INTERNATIONAL DESIGN AWARDS」(P.103)では、今年で十三回目を迎える同アワードの受賞者と作品を発表。ELLE DÉCOR INTERNATIONAL DESIGN AWARDSとは、毎年秋に世界25か国の各ELLE DECOR編集部が、様々な分野から最も優秀なデザイナーをノミネートし、さらにその中からデザイナー・オブ・ザ・イヤーを決めるものです。今年のデザイナー・オブ・ザ・イヤーは、イギリスのデザインデュオNipa Doshi & Jonathan Levien。二人はこれまでにMoroso、B&B Italia、KvadratやCappelliniなど大手家具メーカーと一緒に仕事をしています。本誌ではこの受賞を祝し、お互いのプロフェッショナリズム、ルーツの違いをどのように解釈しデザインに生かしているのか?今一番気になる素材は?といったインタビューが掲載されています。またヤング・デザイナー・タレントでは、ドイツのSebastian Herknerが選ばれました。ベッド部門ではnendoによるCappelliniのpegベッドが受賞。その他に家具、照明、アウトドアやキッチンなど全十三部門での受賞が決定し、授賞式はミラノサローネ国際家具見本市会場内で開催されました。
「IL CIBO DI CELANT (Germano Celant)」(P.151)では、Expo Milano 2015の主要イベントを紹介。今回の国際博覧会についたタイトルは”FEEDING THE PLANET/ENERGY FOR LIFE”で、”食”がテーマとなっております。そこで、イタリアの美術史家/評論家のGermano Celantキュレーションによる、アートと食の繋がりをコンセプトとした展示”Arts & Foods. Rituals since 1851”を取り上げています。 1851年から現在まで、時代ごとに食をモチーフまたはテーマにした作品を辿る世界の展示構成について、Celant自身がインタビューで語っています。今回の国際博覧会には日本も参加しており、日本館ではユネスコ無形文化遺産である日本食をベースに、エキシビジョンやレストラン、COOL JAPANのデザインギャラリーなど、日本の食文化の今と未来を表現する展示を体感することができます。
またExpo Milano 2015の開催で沸き立つミラノの街について、「THE CITY OF NOW」(P.124)では、実際にミラノにスタジオを持ち、生活しているミケーレ・デ・ルッキやパトリシア・ウルキオラといった著名なデザイナーや建築家8名が、それぞれのお勧めスポットを教えてくれます。
その他、「ELLE DÉCOR INCONTRA/1: NAO TAMURA」(P.185)では、2010年のミラノ・サローネ・サテリテ賞受賞など、世界的に評価の高いデザイナー田村菜穂の最新作、ガラスの照明を紹介しています。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-278600

 

 

出版国:イタリア
ジャンル:インテリア/デザイン
テキスト:イタリア語/英語
本体価格:¥1,980(税抜)

 

 

2. INTERNI  4月号(No. 650)

INTERNI cover今号では、Fuori Salone(フォーリ・サローネ)とExpo Milano 2015のため、”Energy for Creativity”をテーマに本誌が主催した、2つの主要エキシビションについて特集しています。
「A DREAM FOR TOMORROW/Looking to the past to invent the future」(P.153)では、ミラノ大学内を会場とし、建築やデザインを通して過去を見つめ直し、近い未来の発展へと繋げるオリジナルインスタレーションを紹介。都市の持続可能な未来を築くための様々なアイデアが会場を取り巻きます。中でもExpo Milano 2015のエントランスに建つ、ミケーレ・デ・ルッキのデザインによるパビリオン・ゼロは、人類が育んだ生産物や自然の変化、そして食物と人とのつながりや文化を表現。 訪れる人々を、圧倒的かつ魅惑的なインスタレーションで、食の世界へと誘います。関連記事として「Focusing/INTERVIEW」(P.69)では、ミケーレ・デ・ルッキのクリエイティブな思考や2015年の多くのプロジェクトについて聞いたインタビューが掲載されています。日本人では、隈研吾による”火と繭”をコンセプトにした高さ5m長さ15mの大きさを1mmの紙を捻るだけでつくるキッチンハウス「IRORI」も展示されています。
もうひとつの「THE GARDEN OF WONDERS/A journey through scents」(P.193)では、ミラノの植物園Orto Botanico di Breraを会場に、各国のデザイナーが出会った思い思いの香りをコンセプトにデザイン された、小さな十個のパビリオンを紹介しています。その中には、ロシアの最も有名なフレグランスブランドKoehlre & Co.の商品Fandangoにインスピレーションを受けて作り上げた、nendoによるミニマルなフレグランスボトルを展示した空間も。植物が生い茂る新緑の空気の中を散策しながら、クラフトマンシップによる洗練されたデザインと、上質な香りを楽しむパビリオンとなっています。
カバーは、650号刊行を記念し、Edward Barber & Jay OsgerbyによるKnollのための新作ラウンジチェアをモチーフとしたスペシャルデザインとなっております。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-280300

 

 

 

 

 

 

出版国:イタリア
ジャンル:インテリア/建築/デザイン
テキスト:イタリア語/英語
本体価格:¥3,700(税抜)

 

3. AD ITALIAN EDITION  4月号 (No. 407 )

AD coverAD ITALIAN EDITION史上最大の380ページで構成された今号には、「SPECIAL SALONE 2015」と題した、ミラノサローネ国際家具見本市を含めたミラノ・デザイン・ウィークのダイジェストが約170ぺージにわたり詳しく特集されています。「LA CITTA, ZONA PER ZONA」(P.73)では、①Centro、②Brera、③5Vieというように、開催されているゾーンごとに出展メーカーやデザイナー、作品をテキストと写真で紹介しています。細いペンで落書きのように描かれた手書きの地図に遊び心が伺えます。「ESCLUSIVE」(P.105)では、ミラノサローネ国際家具見本市で発表される、イタリアの家具メーカーとのコラボレーションにより生まれた、David Lopezの椅子GEORGE’S CHAIRや吉岡徳仁によるオットマンBROOKなどの注目の新作12点を公開。またミラノサローネ国際家具見本市の歴史を辿る「UNA STORIA ITALIANA」(P.123)では、1961年のサローネ初回開催から、1967年からのインターナショナル規模での開催、1998年からの35歳以下に限定した若手デザイナーのためのサローネ・サテリテの新設、そして2011年の記念すべき50周年を迎えた開催と、これまでのサローネ・ストーリーと共に、歴代の貴重な選りすぐりポスターデザインも掲載。フォーリ・サローネにて、食器メーカーSELETTIとコラボレートした、世界的に著名なイタリアのアーティスト、マウリツィオ・カテランのインタビューも必見です。「La luce racconta」(P.147)では、同時開催されるエウロ・ルーチェ国際照明見本市について触れています。「ANTEPRIME」(P.187)では、今年のサローネの作品トレンドに関して、素材やデザイン、構造などから本誌独自に全98作品をカテゴリライズ。一点ずつ写真と作品情報を掲載した、丁寧で見やすい構成となっています。
ページをめくるごとに人気デザイナーの最新作品に触れる、そんなサローネ・デザインの空想散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-203800

 

出版国:イタリア
ジャンル:インテリア/建築
テキスト:イタリア語/英語
本体価格:¥2,100(税抜)

 

 

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:松原奈々(株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部 海外マガジン課)

Art & Design

今回のキーワードは「Art & Design」です。アートとデザイン、互いの影響を受け合いながらその境界を越えて活躍するデザイナーや作品を紹介します。

 

1. DAMn°  3/4月号(No. 49)

DAMn coverA MAGAZINE ON CONTEMPORARY CULTUREというサブタイトルを持つ本誌は、流行を先取る他のカルチャー誌とは切り口が少々異なり、アート性の強い独自のコンセプトをベースに、世界から注目されるアーティストやデザイナー、建築家、そして伝統やサブカルチャーまでを包括するタイトルです。
プロダクトデザイナーのロン・ジラッドにインタビューしたIN HIS HEAD(P.62)では、デザインコンセプトや、アートや建築など様々なジャンルにわたる仕事との関わり方などについて聞いています。ジラッドの作品は、掲載されているBIRTH OF A CHAIR、GATE、CITY SQUAREなどからも見てとれるように、最小限の要素(素材)を用いて形にし、空間も作品の一部として取り込む絶妙なバランスが印象的です。そのミニマルな作品について、形や空間は今在る何処かではなく、ジラッド自身の場所を探すための手段であると共に、自身の言語(アルファベット)でもあると話しており、それが言葉となり、短いセンテンスになり、やがてパラグラフへと繋がるような、ジラッドの言葉を具現化するものだと表現しています。また制作環境の変化として、長年住んでいたニューヨークを離れた理由にも触れています。ジラッドは、ニューヨークの常に変容し続ける、不安定でテンポラリーな世界に身をおく事に不安を感じ、ついにニューヨークを離れる決心をしました。それと同時に、自身の代表作とも言える「グラード」シリーズを生んだイタリアのメーカーMolteni & Cともっと一緒に仕事をしたいという思いが強くなった事をきっかけに、ミラノに拠点を移したと話しています。時を遡り、Carlo Molteniが初めてジラッドのブルックリンのスタジオに来た時の様子や、一人で制作していた当時、まだ大きな家具メーカーとの仕事をした事が無かったジラッドがMolteni & Cと組んだことで、メーカーの歴史と経験を踏まえ、デザインに対する認識の違う人々とのグループワークを経験する絶好のチャンスを与えられた、と振り返っています。
常に純粋で子供の感覚を持ち続けることを大切にするジラッドは、ここ数年でプロダクトデザインの枠を超え、アブストラクトな世界に興味を持ち、彫刻作品をギャラリーで発表しています。ここではない自分のための何処かを作るために、アートとデザインの世界を軽やかに行き来するジラッドの作品は、これからも巧みな表現で私たちを惹きつけ、まだ見えない未知なる世界との繋がりへと進み続けます。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-250900

 

 

 

 

 

出版国:ベルギー
ジャンル:アート/デザイン/カルチャー
テキスト:英語
本体価格:¥2,800(税抜)

 

 

2. IDEAT  3/4月号(No. 114)

IDEAT coverアートとデザインを中心に、CONTEMPORARY LIFEをコンセプトとした世界各国の建築、アート、インテリア、ファッションなどを総合的に紹介する「IDEAT」。
ID-PANORAMART(P.116)で取り上げるのは、2015年を象徴するアーティスト5人です。ヴェネチアビエンナーレ2015でフランス館の代表として参加するセレスト・ブルシエ=ムジュノ(日本では森美術館で開催されたグループショー「フレンチ・ウインドウ展」<2011>に出展)をはじめ、フランク・ゲーリー設計のルイ・ヴィトン財団美術館で展示をしたオラファー・エリアソン、PARIS PANTIN(galerie Ropac)で現在展覧会開催中のアントニー・ゴームリー、そしてウォルフガング・ティルマンスなど、日本でも多数展覧会を開催している評価の高いアーティストをセレクトしています。またID-PANORAMART(P.122)では、2015年のアートシーンに最も影響力のある12人を紹介しています。ヴェネチアビエンナーレ2015のディレクターで、ドクメンタ11(2002)や広州ビエンナーレ(2008)など多くの芸術祭を手掛けたOkwui Enwezor、そして注目すべきは昨年からオランダのステデリック・ミュージアムのアートディレクターに就任したBeatrix Ruf、ニューヨークやロンドンで開催されるコンテンポラリー・アートフェアFriezeのアートディレクターVictoria Siddallなど、女性を多く取り上げている点から、今のアートシーンの原動力には女性の活躍が不可欠だとも言えます。展覧会関連の特集として興味深いのがID-LIFESTYLE & STYLE(P.154)です。現在ポンピドゥーセンターで回顧展を開催中のアメリカのアーティスト、ジェフ・クーンズにフォーカスし、ポップでカラフルな作品からインスピレーションされたライフスタイルアイテムを提案しています。セレクトした作品は3点で、例えばLarge Vase of Flower(1991)には、バーナー・パントンの照明FlowerpotやMichel Vivienのピンクが鮮やかなサンダル、 Lobster(2003)にはアレッサンドロ・メンディーニのチェアProustやフェンディのQuTweetコレクションのバッグなど、同回顧展から抜粋された作品写真の隣ページに、それぞれ5点のインパクトあるアイテムが並びます。アート作品の色や質感を持ち合わせたプロダクトデザインやファッションが、そのコンセプトの元にセレクトされ、ジェフ・クーンズの作品イメージを作り上げる。インテリアの一部としてアート作品をディスプレイする形とは違う角度で、アートとライフスタイルの関係を表現した、遊び心のあるコンビネーションの面白さを感じられる内容となっています。
その他ID-DESIGNER(P.84)では、前述のロン・ジラッドを取り上げており、Molteni & Cのためにデザインされた作品などを掲載しています。DOSSIER ART PARIS ART FAIR(P.131)では、ART PARIS ART FAIR 2015(3月26日~29日)を特集。こちらは毎年春に開催されるアートフェアで、本誌では注目のソロ・エキシビションや、今年のゲスト国に選ばれたシンガポールを中心とした東南アジアのアーティストを紹介しています。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-257200

 

出版国:フランス
ジャンル:アート/デザイン
テキスト:フランス語
本体価格:¥2,530(税抜)

 

3. selvedge(No. 63)

selvedge coverファッションやアート、クラフト、インテリア、そして旅行やショッピングなど、生活の様々な場面で出会うファブリックやテキスタイルの世界を紹介する、まさにTHE FABRIC OF YOUR LIFEなテキスタイルの専門誌です。
THOROUGHLY MODERN MARGO… (P.38)では、テキスタイルデザインメーカーのMargo Selbyについて書かれています。代表のMargo Selbyがハンドクラフトへの道を進むきっかけとなったのは、子供の頃に祖母から教わったクロシェットやクロスステッチでした。その後、ハンドクラフトには芸術的プロセスが必要不可欠だという考えを持つウィリアム・モリスに影響を受けます。また20世紀初頭に起こった芸術教育/活動として有名なバウハウスのデザインやアートが、常に自分のテキスタイルデザインにインスピレーションを与えてくれるのだと語っています。2003年にはSelby自身初のコレクションを発表しました。それは革新的な手織り構造を備えた織り機による立体的なファブリックで、今日のSelbyブランドのトレードマークとなっています。インテリアなどの商業的な仕事をする一方で、本誌が紹介する3つのテキスタイルのように、アートピースとして発表している作品も多数あります。これらの作品はどれも手織りで、ミルキーホワイトにクラウディ―グレー、そしてカドミウムイエローといった、柔らかなトーンの色合いが特徴的です。カラーグラデーションも美しく、シンプルな幾何形のコンポジションから成るSelbyの作品は、まるで’織り糸による絵画‘のようでもあります。糸のねじれやゆがみは、ファブリックを作る時の大切な要素(バックボーン)であり、Selbyのデザインに不可欠なものとなっています。直線でない不安定な糸を紡ぐことで、ユニークな織りの進化形へと繋がります。またシルクやコットン、レーヨンやビスコースなど、種類の違う幾つかの糸を組み合わせ、それぞれがどのように作用し合い新しいファブリックやパターンを作りだすのか、色や形の組み合わせでどのような表現が出来るのか、といった最良のブレンドを探し出すプロセスは、デザイン・セラピーにも似ています。ゆっくりと秩序を持って一段ずつ織り上げる作業、織りと真剣に向き合い熟考する時間は、まるでSelbyが糸と様々な対話をしながら紡いでいるかのようにも感じられます。
一見ミニマルで単調に見える作品の中には、Selbyのテキスタイルへの賞賛と誇り、そして途切れる事のない探究心と可能性が秘められています。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-294400

 

出版国:イギリス
ジャンル:ファッション/ライフスタイル
テキスト:英語
本体価格:¥3,860(税抜)

 

 

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部海外マガジン課 松原奈々

日本

今回のキーワードは「日本」です。2020年東京オリンピック開催に向けて注目を集める日本。デザインや建築で世界に評価される日本のクリエイター達を紹介する、三つのタイトルをご紹介します。

1. MONOCLE  3月号(No. 81)

MONOCLE桜色をバックに、ドラえもんのほんわかとしたスマイルが一際目を引く「MONOCLE」3月号は、日本大特集。ブランディングや注目の商品、訪れたい場所などを再発見できる、日本のカルチャー最新情報が満載の一冊です。Japan media TOP 25(P.103)では、メディアを通して日本の特異性が見えてくる注目のTOP 25を紹介。多くのヒット作が生まれ、昨年の興行収益が好調だった映画業界の勢いや、音域再生におけるノイズ除去性能を高めた、ハイレゾ音源対応のSONYの最新ウォークマンNW-ZX2、ここでは懐かしい歴代ウォークマンの写真と共に紹介しています。 そして女性の年齢やスタイルでカテゴライズしない、自分らしいライフスタイル発見をコンセプトとした雑誌「& Premium」(マガジンハウス)などを取り上げています。Japanese Business women(P.87)では、老舗和菓子メーカー銀座あけぼのの細野佳代社長、テクニクスの小川理子理事など、企業の第一線で活躍する女性4人のワークスタイルをリポート。また日本のクラフトマンシップにも焦点を当てており、Craft capitals of Japan(P.127)では、世界に誇るべき日本の伝統工芸を、昔ながらの技法を受け継ぎつつ新たな時代に合わせた商品展開に挑戦する、秋田県大舘の曲げわっぱや福井県鯖江のメガネを取り上げ、Goro(P.190)では、東京のスペシャリストとしてアウトドアブーツの専門店ゴローが紹介しています。どれも職人の手業や緻密な制作工程が見える、興味深い写真とテキストで構成されています。ユニークな地域性を持つ都市として注目しているのは福岡県(P.117)。ローカル展開する新聞や書店、テレビ局など中心に、地元への強いプライドを持つ人々とそのライフスタイルを紹介。Kanazawa(P.162)では、古い建物は新しいものに建て替えるという、日本の建物に対する考え方とは違う方向性を追求し、古き良き日本家屋の趣を残したまま、さりげなく空間に新しい風を吹き込んだリノベーションの在り方について書かれています。そして海外から見た日本の不思議現象、This could only happen in Japan! (これぞ日本独自のカルチャー!) と、カバー上部に小さく表記されているのは、本誌巻末にまとめられたJapanese mascots(P.203)。そこにはゆるキャラのオンパレードが広がります。日本企業の成功のカギとなる、キュートでカラフルなキャラクターたち、として紹介される様々なゆるキャラ・フォトギャラリーの中には、かなりのレアものも。ちなみに何故カバーがドラえもんなのか? その答えは、ロボットというテクノロジーとキュートなビジュアルを兼ね備えた、日本のソフト・パワーにおける外交官!と本誌が紹介している点にありそうです。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-241100

 

 

出版国:イギリス
ジャンル:ビジネス/カルチャー&デザイン
テキスト:英語
本体価格:¥2,100(税抜)

 

 

2. PPAPER  2月号 (No. 154)

PPAPER2005年の創刊以来、独自の視点と創造的なインスピレーションに基づき、世界的に注目されているデザイナーや建築家、アーティストを紹介している「PPAPER」。これまでに100人以上のクリエイター達のインタビューを掲載。質の高いコンテンツと洗練されたエディトリアルデザインが評価され、2007年には、香港デザインセンター(HKDC)が主催する「アジアデザイン賞」(DFA)を受賞しています。同賞は、アジア社会で影響力のある優れたデザイン(全般)に贈られるもので、建築やメーカーを含め日本人の受賞者も多いことで認知度も高まっています。今号では、ミラノと東京に拠点を持つデザインオフィスnendoの代表、佐藤オオキを特集しており、2002年にnendoを設立してから現在までの経緯や作品紹介、インタビューでまとめられています。ここでは、オフィスのサイト内にあるコンセプト、「小さな『!』を人に感じてもらう事」を取り上げており、その言葉通り、誰にも真似できない、自由で柔軟なデザイン活動の展開にフォーカスしています。あらゆる垣根を越え、縦横無尽に広がるnendoの世界を紹介するため、product、interior、brand space、installation/exhibitionの4つのカテゴリーを作りました。例えばproductでは、カカオの濃度が違うチョコレートを鉛筆にみたて、ケーキの上に削って味わう「chocolate-pencils」や、スケッチの黒い線に興味を持ち、その線が生み出す可能性を形にした「think black lines」。Interiorでは、壁面に取り付けられた額縁をつたいクライミングする「ILLOIHA OMOTESANDO」。brand spaceでは、カバーになっている「CAMPER New York」、服の色を際立たせるため、白い線を基調としたショップ「24 ISSEY MIYAKE」、まるで図書館や本屋のような空間でコーヒーを買う「STARBUCKS Espresso Journey」。installation/exhibitionでは、ビクトリア&アルバート国立博物館で発表した増殖するイス「mimicry chairs」、H&Mグループより展開されるファッションブランド「COS」の白シャツを使った「space dipped shirts」など。それぞれデザインのディティールまでわかりやすい、大きめの作品写真にタイトルと制作年というシンプルな構成は、コンパクトにまとめられたnendoの代表作アーカイブともとれます。
また、nendoの名前の由来は?デザインをする際、空間全体を作るために最も重要な事は何?人生における3つのキーワードは?などといったインタビューも興味深い内容となっています。
その他に、台湾の亜里山のコーヒー豆を使った、台北のコーヒーショップ「Goodman Roaster」を経営する伊藤篤臣、タイムレスなファッションをコンセプトに描くイラストレーターの寺本愛が紹介されています。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-283300

 

出版国:台湾
ジャンル:デザイン
テキスト:中国語
本体価格:¥1,380(税抜)

 

3. MARK   2/3月号 (No. 54)

MARKオランダの空間デザイン誌「FRAME」を発行するFrame Publishersから誕生したのが「MARK」。前者が商業空間デザインやインテリア中心の内容に対し、本誌は美術館から個人邸まで幅広く網羅した建築専門誌です。今号の特集記事の一つExacting Structures(P.156)では、建築構造家の佐藤淳を紹介しています。世界トップクラスの建築家たちと恊働することの多い佐藤淳へのインタビューを中心に、写真や独自のソフトウェアによる解析画面から、建築構造の仕組みや構造家としての考え方を導き出しています。
まずは隈研吾と恊働した南青山の「Sunny Hills」(2014年)。この台湾発のパイナップルケーキ店では隈研吾のイメージする、建具が無作為に広がって空間となる構成を実現させるため、伝統的な日本のジョイントシステムを調べ、たどり着いたのがこの「地獄組み」という木組み工法でした。一度組んだら二度と外れないところからこの名前がついたそうですが、無数の穴のような隙間を作りながら完成したSunny Hillsは軽やかで、佐藤はこれを雲のようなものと表現しています。
また、様々な不可能を可能にして行く構造を追求するために、独自の最適化アルゴリズム(ソフトウェア)を使用している点も注目されます。佐藤は、構造部材がいかに安全性を考えて使われるかが重要なポイントとし、典型的な最適化アルゴリズムは主に重力との関係が考慮されている一方、地震や風、特定条件の場合など、マルチプルな負荷に合った建物全体の安全/耐久性を推定する事が可能だとしています。その安全性を踏まえ、より美しい構造を求めた例として、石上純也とSvendborg Architectsとのコラボレーションで、現在進行中のプロジェクト「House of Peace」を挙げています。コペンハーゲンの港にある人工の島で、半分は島の上、半分は水面という立地を生かし、有機的な形のカーブや多面体など様々な形を見事なバランスで作り出す事ができた、と話しています。そこで本誌は、2008年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展での石上純也との協働によるインスタレーションExtreme Natureこそ、独自の最適化アルゴリズムの成果では、と問いかけます。ほぼ不可視とも言えるフレームで支えられたglass house(ガラスの空間)で構成されたインスタレーションについて佐藤は「とても興味深いチャレンジであり、考え得る全てのテクニックにアプライした結果、高さ1.8mの建物の柱は1.6cm角という部材で空間を作り上げる事ができた」と語っています。インタビューの最後、What’s next? と聞かれた質問には、ガラスのパネルをシームレスに溶接出来るようになれば、想像を超える大きなガラスのピースを作る事ができる。その技法を使ってシームレスなガラスのドームまで作り上げてみたい、それが私の夢。と答えています。
難題だからこそ、喜んでそれに挑戦する。佐藤淳はこれからも難しい建築コンセプトを具現化していくことでしょう。それも繊細なバランスを持った美しい形で。
その他の記事として、前回の「Wallpaper」2月号でも紹介した中村拓志による「Ribbon Chapel」や伊藤豊雄による「国立台湾大学社会科学部」の図書館、保坂猛による「湘南キリスト教会」が紹介されています。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-05-259500

 

出版国:オランダ
ジャンル:建築
テキスト:英語
本体価格:¥3,150(税抜)

 

 

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品切れの際は、ご容赦くださいませ。
文:株式会社紀伊國屋書店 洋書店売部海外マガジン課 松原奈々

 

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