LARA甲府店

駅に直結する商業施設の1階に位置し、屋外の駅前ロータリー側と屋内の施設通路側の向かい合う2面にファサードをもつ区画である。 屋外側にはショーウインドウなどのディスプレイを設ける店が多い中、僕らは店全体がディスプレイとなるよう窓面には何も置かない開放的な設えとし、またそれによって向かい合う屋内外2面のファサードを視覚的に繋げて区画の特徴を最大限活かそうと考えた。 店内には中央の谷部分で高さ1350mmとなるV字型の格子面を第二の天井として設置した。谷線両側の高さ16001700mmの部分をハンガーパイプとして設定しているが、基本的には格子面のどこにでも商品は掛けられる。 また動線上で頭をぶつける恐れがある部分は全て格子の開口が大きくなっていて、そこを通ると格子面上のボイド空間に頭が飛び出す格好となる。突然店外まで視界が抜けるようなこの体験は、ショッピングという連続する行為の中に一瞬の余白をつくり、その質を和らげるものだ。 ファサードとしては、屋外からも屋内からも、店、ボイド、ボイドの向こう側という明快な断面構成の見えとなり、またそこに人の動きが加わることで、楽しくインパクトのある店構えを実現している。(大野 力/sinato

 

  • LARA 甲府店」
  • ■所在地:山梨県甲府市丸の内1-1-8 エクラン1
  • ■竣工:201010
  • ■設計:sinato 大野 力
  • ■床面積:62.17
  • ■撮影:太田拓実

 

 

 

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