未来コンビニ

「未来コンビニ」は、“四国のチベット”と呼ばれる人口1000人の木頭村を文化の力で再興するKITO DESIGN PROJECTのハブを担う。“未来”とは漫画家の手塚治虫先生が子供のことを未来人と呼んだことから、この地が子供を育むことを願い命名された。加えて木頭は日本で初めてゆずの接ぎ木に成功した地でもある。そこでこの場が木頭の未来を作ることを願い、汎用立体トラスをイエローで丁寧に塗り分けた、ゆずの木を模した建築構造をデザインの軸に添えた。木頭は日本で最も降雨量が多い地域のため、トラスにテラスも含めた大屋根をかけ、壁をガラスにし、雨や木頭の自然を日本一美しく感じる建築とした。そして子供への配慮から什器や個室の天井高を低く抑え、すべての要素が大屋根の下で温かな光で包まれるような一つの空間とした。爺婆や子供、旅行客など多様な人々が集い、催しが日常的に行われ、生活を営む。スーパーまで車で2時間のこの地域に、ライフラインであり木頭の未来を作るコンビニが完成した。(佐藤 航/コクヨ

 

「未来コンビニ」
所在地:徳島県那賀郡那賀町木頭北川宇いも志屋敷11-1
オープン:2020年4月24日
設計:コクヨ 佐藤 航 青木耕治 黒尾智也 須賀真紀子
GEN設計 蜜石陽平 狩野拓真
福祉計画研究所 原田典政
床面積:185㎡
客席数:23席
Photo:ナカサ&パートナーズ

【内外装仕様データ】
床:モルタル打設の上ウレタンクリア塗装
外壁:東側大壁/セメントボード下地塗り壁仕上げ(ジョリパット ゆず肌/アイカ工業) 塗装仕上げ(K75-60B/日塗工) 南側サッシュ/システムウインドウ(SYSTEMA13e アルミカラー/YKKap
内壁:PB下地AEP(K75-60B/日塗工)
屋根:耐火屋根材(ZルーフⅢ型/佐渡島)+断熱ボード+塩ビシート貼り
天井:ケイカル板下地AEP(K75-60B/日塗工)

佐藤 航コクヨ
1979年、神奈川・茅ヶ崎生まれ。2003年、東京工業大学大学院卒。2003年、コクヨ入社。2018年、同クリエイティブデザイン部部長/チーフデザイナー/一級建築士。オフィス、コワーキング、ショールーム、ショップ、飲食、その他多様な空間・プロダクトの企画・ディレクション・デザインを担当。主な受賞暦/2017年German Design Award賞、BAMBOO AWARD SILVER Prize、2016/2013年Reddot Communication Award賞、2013年SDA最優秀賞、2012年JCD新人賞、その他国内外で受賞多数。

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