JINS 熊谷肥塚店

埼玉県熊谷市に計画されたアイウエアブランド「JINS」のロードサイド店舗です。細長い長方形平面の建物を、地盤面から400mm程度浮かせて敷地東側に配置し、残りを駐車場区画などにしています。地盤面と出入り口との高低差は、スロープを設けることで解消しました。また、中庭のサルスベリの木はあえてスロープ側にはみ出すように植えています。中庭や前面道路に面して大きな連窓サッシを設けることで、明るく開放感のある空間を実現させました。壁と天井を白塗装で仕上げたことにより、店内はホワイトキューブのような空間となっていますが、陳列什器の金属部に真鍮メッキを用いたり、星空のようにランダムに配されたダウンライトの一部を塗装するなど随所に“ゴールド”の遊びを加えることで、商環境としての成立も目指しています。建物下部と地盤面の間に生じる陰影や、中庭部分の基礎スラブをくり抜いたことでスロープとの間に残る梁状のスラブなど、建物を浮かせたことで生まれる違和感によって、シンプルながらも圧倒的な存在感を持ったデザインを実現しています。(松葉邦彦/TYRANT

「JINS 熊谷肥塚店」
所在地:埼玉県熊谷市肥塚4-177
オープン:2020年7月10日
設計:TYRANT 松葉邦彦
床面積:198.29㎡
Photo:楠瀬友将

【内外装仕様データ】
床:コンクリート打ち放し+撥水材塗布
壁:外壁/レッドシダーt17.5下見板貼りの上木材保護塗料仕上げ(キシラデコール ブルーグレイ/大阪ガスケミカル) 内壁/LGS組みPBt12.5下地AEP
天井:LGS組みPBt9.5下地AEP
家具・什器:オーク材突き板、スチール角パイプ真鍮メッキ
照明:ダウンライト(LZD-02321AW SPコーン ゴールド塗装/大光電機


松葉邦彦/TYRANT
TYRANT代表取締役。一級建築士。1979年東京都生まれ。東京藝術大学大学院修了後、事務所勤務を経ることなく独立。人生で初めて設計した建物が公共の文化施設という異例な経歴を持つ。また、同プロジェクトで芦原義信賞優秀賞やJCD DESIGN AWARD新人賞などを受賞。「浮かせる」「歪ませる」「尖らせる」といった設計手法で新たな価値を生み出す建築の実現を目指しており、その活動がイギリスの一般誌 「The Independent」を始め、「SURFACE」アジア版など様々な海外メディアで紹介される。工学院大学建築学部建築デザイン学科非常勤講師。

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