JINS PARK 前橋

『ロードサイド店舗の新たな価値』
アイウエアブランド「JINS」の群馬・前橋のロードサイド店舗の設計である。地域に密着した郊外型の店舗として新しいコンセプトが求められた。若い世代も多く暮らす住宅地が近接することから子供と親世代を中心にお年寄りまで誰でも立ち寄れ滞在できる公園のような場所をつくりたいと考えた。沿道から眺めると、背景にそびえる赤城山の赤茶色に似た銅板葺の四角い箱が緑豊かな芝生の前庭に浮いている。従来のロードサイド店舗は道に面して駐車場を広くとるのが典型だが、今回は裏手にある駐車場への通路のみ敷地内に設け、並木の歩道から繋がる大きな前庭を設けた。この庭に面した6連のガラス引き戸が開け放たれると、歩道から前庭、店舗、大階段、“うえひろば”へと続く一連の立体空間=公園を、気持ちの良い風が視線と共に吹き抜けていく。
エントランスから入ると右側がJINS、左側がベーカリーのエブリパン、中央が空に抜ける大階段とさらに2階屋上テラス“うえひろば”というように、水平垂直方向にパースペクティブに視界が広がる。扇型に広がる大階段は座席にもなっている。訪れた人は、公園で好きな場所を見つけるように前庭、大階段、うえひろばの中から好きな席に座り思い思いにくつろぐことができる。今回の店舗はロードサイド型のプロトタイプと捉えられ、様々な地域に今後展開されることを期待している。(永山祐子/永山祐子建築設計

 

「JINS PARK 前橋」
所在地:群馬県前橋市川原町1-21-9
オープン:2021年4月29日
建築設計:永山祐子建築設計 永山祐子 小森陽子
構造:金箱構造設計事務所 金箱温春 岡山俊介 蔭山 快
設備:ピロティ
植栽計画:SOLSO 齊藤太一 板垣雄太 藤野菜々恵
照明アドバイザー:岡安泉照明設計事務所 岡安 泉
照明計画:大光電機 宇賀かなこ 穗積里菜
サイン・グラフィック(JINS PARK):高い山 山野英之 金本紗希
アートディレクション(エブリパン):菊地敦己事務所 菊地敦己
施工:冬木工業 横田拓志
監理:永山祐子建築設計 永山祐子 小森陽子 池上里佳子
面積:敷地面積/1720.64㎡ 建築面積/442.45㎡ 延べ床面積/499.33㎡
Photo:阿野太一+楠瀬友将

【内外装仕様データ】
〈外部〉
屋根・外壁:硫化銅一文字葺き(新星商事
外壁:サイディング(神島化学工業
その他:屋上テラスデッキ/人工木(サンドリーフ/IOC
〈売場〉
床:土間コンクリート金鏝仕上げ+撥水剤
壁:ナラ練り付け材(VIVO大雪山のナラ/安多化粧合板
天井:PBt9.5下地EP塗装
〈2階ホール〉
床:オーク材複合フローリング貼りウレタン塗装(望造
壁:PBt12.5二重貼り下地EP塗装
天井:PBt9.5二重貼り下地EP塗装
家具・什器:商品什器/オリジナル(設計:永山祐子建築設計、製作:スペース) 外部家具(ISIMAR/谷村実業) 内部家具(viccarbe/INTERIORS


永山祐子/永山祐子建築設計
1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998年青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」「丘のある家」「豊島横尾館」「女神の森セントラルガーデン」など。JIA新人賞(2014)、山梨県建築文化賞、東京建築賞優秀賞(2018)、照明学会照明デザイン賞最優秀賞(2021)など。現在、ドバイ国際博覧会日本館(2021)、新宿歌舞伎町の高層ビル(2022)、東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」などの計画が進行中。

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