HOTEL CLAD

御殿場プレミアムアウトレット内に新たにつくられたホテル「HOTEL CLAD」。アウトレットの本質である、「本物だけど理由あってリーズナブル」をテーマに、本物に触れ、愉しめるデザインを目指しました。また、御殿場プレミアム・アウトレットのインバウンド客の多さや富士山が目前に見えることを鑑み、「和の本質」を抽出し、きめ細やかなサービスを提供できるように考えています。
建築は富士山を正面に望むように配棟し、富士山を含めた自然を内部に取り込むため、逆梁構造とし窓を最大限に大きくすることで「自然(富士山)を愉しむ」場所となっています。一方、インテリアでは御殿場、箱根エリアの伝統工芸である寄木細工や組子細工をモチーフにしたデザインを随所に取り入れ、地域性を引き出し「日本の伝統を感じる」ことを表現。この他「素材を感じる」ことを目指して、本物を使うことを大切にし、マグマが固まった玄武岩や、開発で伐採した樹木を活用した間伐材テーブル、木割照明、原木ベンチなど手触りや香りを愉しめる素材を用いています。
また、富士山からの火山灰の混ざった土を塗り込んだ和紙、知的障がい者就労支援事業・株式会社テミルと協業したアートワーク扉の製作、取手、障子の柄、照明器具などに織り込まれたロゴなど、各所に地域性やオリジナリティを出せる工夫を施し、ここでしかできないことにチャレンジしています。(杤尾直也)

 

「HOTEL CLAD」
所在地:静岡県御殿場市深沢2839-1
オープン:2019年12月
建築設計:三菱地所
内装設計:UDS 杤尾直也(現 to-ripple
サイン・グラフィックデザイン:UMA / design farm
オリジナルアート(扉):temiru
家具:seventh-code
施工:清水建設
延床面積:12035㎡
客室数:182室
Photo:見学友宙

【内外装仕様データ】
〈ロビーラウンジ〉
床:玄武岩貼り カーペット敷き(ハンドタフト)
壁:不燃化粧板の上塩ビシート貼り(ダイノックフィルム/3M) 玄武岩貼り
天井:PB下地AEP アルミルーバーの上塩ビシート貼り
〈レストラン〉
床:複合フローリング貼り(オリジナル六角形)
壁:PB下地左官仕上げ(ジョリパット/アイカ工業) 和紙貼り(カミズム
天井:PB下地突き板化粧パネル貼り AEP
〈客室〉
床:オリジナルカーペット敷き(パシフィックハウステクスタイル
壁:PB下地ビニルクロス貼り 和紙貼り(ロクタ紙/カミズム
天井:PB下地ビニルクロス貼り


杤尾直也/to-ripple
1983年兵庫県生まれ。東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻(建築・環境デザイン)修了。株式会社都市デザインシステム(現UDS株式会社)にて、ホテル、オフィス、飲食店など多様な設計を手掛ける。2017年に株式会社to-rippleを設立。「状況のデザイン」をテーマに建築設計、インテリアデザイン、家具・備品のデザイン、ネーミングなど建築の枠を超えたデザインを手がけ、心地よい体験をプロデュースしている。東北大学大学院工学研究科 非常勤講師。

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