八 by PRESS BUTTER SAND 名古屋三越栄店

プレスバターサンドから派生した和と洋の垣根を越え、美味しさの可能性を据え広げていくニッポンの新しいお菓子を届ける新ブランド。ブランド名の「八」という数字には八百万(やおよろず)のように古来「数が多いこと」を意味していることから着想を得て、日本ならではの季節や情緒とともに毎日のように楽しんで欲しいという思いが込められています。
日本には古くから根付いてきた「包む」文化があります。贈りものにおける包みとは贈り主の気持ちを包みに込めて渡すという礼の心の表れでもあり、そこに包まれるのは単に物だけではなく渡す人の「想い」も一緒に包まれています。その様な日本の奥ゆかしい心をデザインに取り込めないかと考え、「包む」という行為そのものをデザインコンセプトに店舗自体が和紙で包まれるしつらえを考えました。黒谷和紙職人のハタノワタル氏に依頼し、和紙とブランドの屋号であり商品の象徴的な形でもある八角形をディテールとして落とし込み、ブランドロゴの稜線をイメージし山々の稜線がぼんやりと浮かび上がってくる様なグラデーションを施しています。
日本の自然が大地を包み込んできたように、大切な誰かのことを想う「包む」所作そのものがブランドコンセプト・パッケージデザイン・ストアデザイン、そして商品と一つとなりお客様とその先の大切な人々が幸せに包まれる様にという「想い」をデザインに込めています。
この名古屋三越栄店は、東京大丸店、京都大丸店につづく同ブランド3店舗目となるプロジェクトであり、単独の奥まった区画構成において、「八byPRESS BUTTER SAND」と「PRES BUTTERSAND」の2つブランドのコントラストと共存性を考慮したゾーニングとデザインをしています。また、エントランスから奥へと伸びていくロングカウンターとやわらかなしつらえの和紙、稜線のグラデーションが通行客を区画内へと引き込むことを意図しています。(室谷丞一郎/M / M

 

「八 by PRESS BUTTER SAND 名古屋三越栄店」
所在地:名古屋市中区栄3−5−1 名古屋三越栄店 地下1階
オープン:2022年5月27日
ディレクション:Connect Design Labo 菊地慎平
設計:M / M 室谷丞一郎
設計協力:照明計画 Modulex 吉田剛士 河井由未子 和紙 ハタノワタル
施工:Y2 谷口慎吾 矢島資記
床面積:79.5㎡
Photo:ad hoc 志摩大輔

【内外装仕様データ】
床:既存石貼り
壁・造作:PB12.5mmの上不燃和紙貼ウレタン塗装仕上げ
天井:ケイカル底目地貼りの上EP塗装仕上げ
その他:家具/腰・和紙貼の上グラデーション塗装ウレタン塗装仕上げ 天板・塗装仕上げ(モールテックス) ケース内八角形器具・SUSブラスト仕上げ 造作フード・SUSブラスト仕上げ


室谷丞一郎/M / M
兵庫県西宮市生まれ。大阪芸術大学卒業後、設計施工会社を経てM / M設立。飲食や物販店、クリニックやサロンなど国内外問わず幅広いジャンルのデザインを手がける。

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