beer garden HOLZ

自然の情景を想起させる原木丸太

大阪梅田、曽根崎のお初天神通り商店街のビル地下1階にある「beer garden HOLZ」は、創業64年の老舗ビアホール「ニューミュンヘン」による新業態だ。オーナーからのオーダーは「開放的で植物に溢れた屋外ガーデン」。地下という閉鎖的な空間に相反する要望に応えるため、いかに自然との接点を地下空間に引き込むかという課題に取り組んだ。店内では、単純に植物を多用するのではなく、山から切り出して建築材に加工する前の原木丸太を店内数カ所に配置。通常、店舗を構成する木材は、機能をデザインに落とし込む手段としているが、今回はこの原木丸太に“感覚的な機能”を与えている。これにより、地下空間と自然の景色を違和感なく繋ぎ、木材の向こう側にある風景を想像させ、利用客が自然と繋がる接点となるハブとしての役割を持たせた。この丸太は、「里山紅葉樹利活用プロジェクト」の実証実験の一環として、神戸市北区の山林から伐り運ばれてきたもの。放置され荒廃が進む里山の再生が謳われる中、私たち消費者は好循環を生み出す選択をする責任があると考えた。地域材を使った店で、地域の人が交わり、楽しむ場所となることを願っている。(石丸耕平/BLURRY

 

「beer garden HOLZ」
所在地:大阪府大阪市北区曽根崎2-13-17 曽根崎渡辺ビル地下1階
オープン:2022年4月
設計:BLURRY 石丸耕平
協力:照明計画 ウシオライティング
施工:キクスイ
床面積:430㎡
客席数:128席
Photo:浅野 豪

【内外装仕様データ】
床:コンクリート下地モルタル金コテ押さえ防塵クリア塗装
壁:PBt12下地左官仕上げ(デスタコ/梶原組) 木製練り付けパネル貼り(チーク材/アナログ
天井:PBt9下地左官仕上げ(デスタコ/梶原組) 木製練り付けパネル貼り(チーク材/アナログ
その他:家具(ARIAKE) 意匠照明(NEW LIGHT POTTERY


石丸耕平/BLURRY
インテリアデザイナー。1982年大阪市生まれ。2008年〜2018年インフィクス勤務後独立。2020年に株式会社ブラーリー設立。現在は兵庫県を拠点に活動。飲食や物販、ウェディング、大型商業施設、住宅など幅広いジャンルのデザインを手がける。

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