自由が丘 Mont-Blanc(Temporary Store)

仮設の軽やかな装飾性をテキスタイルのレイヤーで表現

ケーキの“モンブラン”を生み出した老舗洋菓子店が今年90周年を迎える。同店を象徴する画伯・東郷青児の内装絵画や包装紙は、有名な自由が丘文化の一つになっている。単に原画を飾るだけの空間ではなく、訪れた人々が「絵の世界観に身を投じながらお菓子を買える体験」ができることが画伯への最大のオマージュになると考えた。そこで、テキスタイルの使い手と共に、壁三面を二層の透過布で構成し、層間からライティングすることでアーチパターンのレイヤーとグラデーションが反復する幻想空間を表現することにした。
また、本計画は駅前開発という大プロジェクトに伴った思いがけない移転をきっかけとし、仮移転店舗として壊すことが決まっている制約内での表現が求められた。装飾性・透過性・更新性を兼ね備え、普段は肌に触れているテキスタイルの視覚的な柔らかさをデザインに取り入れながら、洋服を着替えるかのごとく、時代の変化にも追従していける期待感を持たせている。(金子有太/FRAME + 柏岡イサク/ISAKU DESIGN

 

「自由が丘Mont-Blanc(Temporary Store)」
所在地:東京都目黒区自由が丘1-25-13 岩立ビル1階
オープン:2023年2月10日
設計:FRAME 金子有太 ISAKU DESIGN 柏岡イサク
協力:テキスタイル/NUNO グラフィック/studio KURUTA 照明/コイズミ照明DNライティング 什器/ダイヤ冷ケース
施工:Comm Lab
床面積:86.6㎡(売場)
Photo:繁田 諭

【内外装仕様データ】
床:シートタイル貼り(フロアタイル/サンゲツ) LED床ライン(DNライティング
壁:インクジェットオーガンジー2層(NUNO
天井:ブラック吹き付塗装+オリジナルステージ照明
その他:什器/メラポリ仕上げ 既存ショーケース加工(ダイヤ冷ケース


金子有太/FRAME
マンガアシスタントやインテリア現場を経て2005年にFRAME所属。インテリアから建築、まちづくりまで広範囲な分野における空間デザイン経験を持つ。近年は中国チームと協働し、中国内のデザインプロジェクトにも挑戦している。

 

 


柏岡イサク/ISAKU DESIGN
名古屋生まれ、鳥居デザイン事務所を経て、グエナエル・ニコラに師事。
その後イサクデザイン設立。インテリアデザイン、プロダクトデザインを主にアートディレクター、ブランドネーミングなど多岐にわたるクリエイティブワークを国内外で行っている。

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