nana’s green tea 香港店

日本の茶室の文化を現代的視点で表現

株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信し、良質の抹茶を抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューとして提供している。そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」だ。それは、オーナーの言葉を借りれば「日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店」をつくりたいという思いの表れである。
今回は香港での設計のため、茶室を経験したことがないお客様に、分かりやすく茶室体験をしてもらうための空間が出来ないかと考えた。茶室という特別な空間に向かうための結界として手を清めるつくばい。茶室に到達するまでにいくつもの峠を越えていくという意味が込められる飛び石。そして、必要最小限の 機能を持った茶室。それらを全てをミニマムに再現し、表現する事で日本の茶文化を感じてもらう。 また、茶室の天井には、特殊な加工の金属板に空間を映し出し、ゆがみによる不完全な美しさを表現した。
ここで日本の茶室、そして日本の文化に興味を持ってもらうきっかけになればと考える。
(吉田昌弘/KAMITOPEN

 

「nana’s green tea 香港店」
所在地:Shop B128, AIRSIDE, 2 Concorde Rd, Kai Tak, Hong Kong, China
オープン:2023年9月28日
設計:KAMITOPEN 吉田昌弘 鄧冰 清
床面積:74.68㎡
客席数:66席
Photo:宮本啓介

【内外装仕様データ】
床:モルタル調タイル貼り
壁:PBt12.5下地モルタル金鏝仕上げの上防塵クリア塗装三分ツヤ
天井:木目クロス 歪み鏡面ステンレス貼り
その他:テイクアウトカウンター/天板・人工大理石+腰壁タイル貼り テーブル、ベンチ/木目メラミン化粧板貼り カウンター席/天板・鏡面ステンレス 家形/St角パイプ(40mm✕75mm)造作メラ焼き黒


吉田昌弘/KAMITOPEN
一級建築士。1977年大阪生まれ。2001年京都工芸繊維大学工芸学部(岸和郎ゼミ)卒業。2001年タカラスペースデザイン株式会社入社。2007年KAMITOPEN設立。2008年株式会社KAMITOPEN一級建築士事務所設立。

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