JINS イオンモール各務原店

アルプスの山並みや濃尾平野の家々を想起させる空間
 
これは、JINSイオンモール各務原店のリニューアルプロジェクトである。JINSは、これまでも様々な建築家が創造的な店舗を手がけているが、実はメガネの陳列トレー・鏡・POPなどの配置には、利用者目線の計画的な型が存在する。この型を、できる限り感じない空間づくりももちろん選択肢の一つだが、私たちは今回、あえてそれをそのまま形にしたような普遍性と、一方でそれが多様に展開して生まれる固有性とが、両立するような空間づくりを目指した。店舗空間を構成する基本的な単位の家型の什器は、天板に置くメガネの陳列トレーと正面に必要なPOPと鏡の位置を満たしながら、幅・奥行・高さをある程度自由に変更できる。家型の什器は適度に商品を見え隠れさせると共に、徐々に視界が変化するような空間を作り出し、店舗を散策する楽しさを生み出す。一方、店舗のある各務原は、日本アルプスから濃尾平野に至る地形の中腹に位置し、木曽川などの自然が豊かな場所である。私たちはこうした地形の豊かさを、天井高約4メートルという恵まれたテナント区画の中に再現しようと試みた。具体的には、家型の什器を基本の単位として設計を行いつつも、奥や壁際に行くほど什器を高くし、一番奥にはベンチを兼ねた階段を数段登った先に、適度に隠れながら子どもが遊べるキッズスペースを作った。この店舗は、ショッピングモールの中にありながら、豊かなシークエンスとダイナミックな高低差が内在する、各務原の地形の豊かさを濃縮したような空間となった。(成瀬・猪熊建築設計事務所
 
 
「JINS イオンモール各務原店」
所在地:岐阜県各務原市那加萱場町3-8 イオンモール各務原 2階
オープン(リニューアル):2023年10月20日
設計:成瀬・猪熊建築設計事務所 成瀬友梨 猪熊 純 西川裕知 呉 先鈺
床面積:175.4㎡
Photo:楠瀬友将
 
【内外装仕様データ】
床:Pタイル貼り(ModernA-6/田島ルーフィング
壁:AEP塗装
天井:AEP塗装
什器:ストランドボード メラミン化粧板(アイカ工業) ロールテープ(ファンシーロール/ニチモク
その他:グラフィック/ステンシル塗装
 
 
成瀬友梨/成瀬・猪熊建築設計事務所
成瀬・猪熊建築設計事務所共同主宰。1979年愛知県生まれ。2004年東京大学大学院修士課程修了。2007年同博士課程単位取得退学。2007年成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。2009東京大学特任助教。2010-2017年東京大学助教。2022年よりグッドデザイン賞審査員。
 
猪熊 純/成瀬・猪熊建築設計事務所
成瀬・猪熊建築設計事務所共同主宰 / 芝浦工業大学准教授。1977年神奈川県生まれ。2004年東京大学大学院修士課程修了。2006年まで千葉学建築計画事務所勤務。2007年成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。2008−2020年首都大学東京助教。2020−2021年東京都立大学助教。2021年より現職。
 
成瀬氏、猪熊氏の代表作/「お宿Onn 中津川」「LT城西」「柏の葉オープンイノベーションラボ」「豊島八百万ラボ」「ソウルメトロ・ノクサピョン駅デザイン改修」「ナインアワーズなんば駅」など。主な受賞/第33回AACA賞 優秀賞、2015年日本建築学会作品選集新人賞 JID AWARDS 2015 大賞 第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 出展 特別表彰。著書に「シェアをデザインする」「シェア空間の設計手法」

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