組子座 Toyama Craft Lounge

富山のものづくりの魅力と土地の文化を発信する場所

 

「組子座」は、富山駅前にある商業施設「CiC」の1階に計画された、富山の組子メーカー「タニハタ」の新たなショールームである。駅前という多くの人が行き交う都市の玄関口において、組子の魅力だけでなく、その背景にある富山のものづくりや、それを育んできた自然・文化・職人の技を広く伝える場として計画した。
既存空間は通りに面した大きなガラス面を持ちながら、植栽によって外部とのつながりが希薄であった。そこでガラス面を都市へ開き、ショールーム全体を街に向けた舞台として再構成した。通行人が自然と足を止め、組子の美しさや職人の技に触れ、富山のものづくりへの関心を深めるきっかけとなることを目指している。
内部では商業施設の既存グリッドに従わず、歩道に沿って組子パネルを配置することで、緩やかな奥行きと回遊性を創出した。来訪者は森の中を歩くように組子のレイヤーを巡り、その重なりや光の変化を体感できる。展示パネルはユニット化し、構成を柔軟に更新できるため、訪れる度に新たな発見が生まれる空間となっている。メインカウンター背面には、立山連峰をモチーフとした曲面の大型組子パネルを設置した。また、エントランスには純銅製の水鉢を設け、天井から滴る水が波紋を描く演出を取り入れている。木を育む豊かな水と精緻な組子が響き合い、富山の自然と手仕事の関係性を表現した。
さらに、組子だけでなく、銅・木工・ガラス・和紙など富山県内の職人による素材や技術を取り入れ、それぞれが呼応する空間を構成した。KUMIKO-ZAは、タニハタの世界への玄関口であると同時に、富山のものづくりの魅力と、その背景にある風土や文化を国内外へ発信する拠点となることを目指している。(CORARE ARTISANS JAPAN

 

 

「組子座 Toyama Craft Lounge」
所在地:富山県富山市新富町1-2-3 CiCビル1階
オープン:2026年4月15日
設計:CORARE ARTISANS JAPAN 山川智嗣 山川さつき 杉木千咲都
造作家具、組子:タニハタ 谷端信夫
家具備品:Indigo Furniture 工藤悠市
蛭谷和紙:川原製作所 川原隆邦
井波彫刻:髙平木彫刻 髙平晃暉
床面積:89.4㎡
Photo:nando 大木 賢

 

【内外装仕様データ】
床:PVCタイル(ボード
壁、天井:特殊塗装仕上げ(ヤマトコ
家具:一部テーブル天板/人工大理石(アイカ工業

 

山川智嗣/CORARE ARTISANS JAPAN
コラレアルチザンジャパン 代表取締役。建築家。富山県生まれ。明治大学理工学部建築学科卒業。日本一の木彫刻のまち富山県南砺市井波にて「お抱え職人文化を再興する」をコンセプトに、ものづくり職人と新たな価値を創造するクリエイティブ集団・コラレアルチザンジャパンを運営。日本初の職人に弟子入りできる宿「Bed and Craft」(24年ミシュランキー「セレクテッド」に認定)をプロデュースするなどクリエイティブディレクターとしても活躍。24年Forbes Japan により世界を動かす45歳以下のカルチャープレナー(文化起業家)30組に選出。ジャパンツーリズムアワード観光庁長官賞、グッドデザイン賞(岩佐十良審査員特別賞)等、受賞歴多数。

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