









大阪の屋台文化とメキシコの酒文化が融合する空間を日本的マテリアルで表現
メキシコ・グアダラハラに位置する日本食レストラン「BOKU」は、日本のハイボール文化とメキシコの酒文化をつなぐ空間として計画された。大阪の屋台文化に着想を得て、居酒屋の活気を現代的なデザインで再解釈している。
コンセプトの中心は、たこ焼きとその主役であるタコ。曲線状のカウンターはタコの足を思わせるフォルムで、自然なコミュニケーションを促す。竹あかりをモチーフとした照明や水墨画の壁画、欄間格子など、日本の伝統要素を現代的な素材とディテールで表現し、表層的な「和風」ではなく、日本の精神性である「和」の本質を体現した。高い天井を活かした中二階により、バー、オープンキッチン、客席を立体的に構成。現地施工会社との協働では、日本らしい繊細なディテールを維持することが最大の課題だったが、設計と施工を丁寧に調整することで実現した。
「BOKU」は、日本とメキシコ、料理とデザインをつなぐ新たな空間体験を創出している。(轟 貴弘/engine)
「BOKU」
所在地:Juan Manuel 1581, Col. Americana, Guadalajara, Jalisco 44160, Mexico
オープン:2025年8月8日
設計:engine 轟 貴弘
床面積:1階/84.75㎡ 2階/44.36㎡
客席数:約48席(スタンドエリアあり)
Photo:平林克己
【内外装仕様データ】
〈ファサード〉
庇:SUS下地ブラック焼付塗装
のれん:スチールフレーム+和柄プリント布
サイン:アイアン切り文字プレート バックライト
照明:提灯照明 LEDネオン
〈エントランス、カウンター〉
壁:PB下地モルタル+クリアコーティング 墨入りモルタル仕上げ 杉板OSCL 白壁紙+インクプリント 柱/木下地麻縄巻き
その他:カウンター/木工下地杉板OSCL 腰・木工下地ストライプ銅板
〈客席〉
壁:PB下地杉板OSCL グレー焼杉板 レンガ調仕上げ ブラック塗装(エッグシェル)
床:カリンフローリング ストレート貼り ヘリボーン貼り
天井:PB下地ブラック塗装(エッグシェル) ダクト/ブラック塗装
〈個室、VIP〉
壁:PB下地グレー焼杉板 レンガ調仕上げ ブラックストーン貼り 大理石タイル貼り 棚/木工下地杉板OSCL
その他:仏像/バックライト演出
〈家具、造作〉
テーブル/木工下地和紙貼り+クリアコーティング チェア/木工特注チェア+合成皮革張り ハイチェア/木工特注ハイチェア スツール/木工下地杉板OSCL
〈照明・装飾〉
ペンダント/竹照明(2700K) スタンド照明/特注照明 マリンランプ ネオンサイン/LEDネオン(特注) 行灯/和紙行灯 壁面アート/PB下地インクプリント、ステンシル 欄間/木製(日本製)

轟 貴弘/engine
中央大学法学部法律学科を卒業後、北米大陸にてプロのブルースミュージシャンを目指し、オーディションに明け暮れ、シカゴ・ニューオリンズなどでBusking Musicianとして生計を立てる。道中、テキサスにある国立公園にてレンジャーのアルバイトをしていた際に、同僚に連れられたアリゾナ砂漠で遭遇した洞窟BARに感銘を受け、空間デザインの世界に生きることを決める。2000年に独立し、E/g SPACE LABOとして活動を始め、2004年に法人化とともに社名を engine, inc に変更。商業施設を中心に、飲食店・クリニック・住宅・サロン・物販店など多岐業種に渡り幅広く活動する。







