瀬戸内醸造所 竹原直売所

地域の歴史を継承し、新しい交流や体験を生む商店空間

本計画は、竹原市の重要伝統的建造物群保存地区に位置する、地元住民と旅人の交流機能を兼ねた「瀬戸内醸造所」の販売拠点。この地域の歴史性によって、新しい交流や活動を支える商店空間の在り方を目指した。先ず、100年単位で改修されている既存古民家の部材のひとつひとつを取捨選択し、木軸の補強、土壁の追加、解体などを行い、数百年単位の時間軸が重層する空間をつくった。さらに、どっしりとした木軸グリッドの街並みと、古民家内部に対比させるように、竹原特産のレンガ螺旋状に配置した。螺旋什器は変化する形態に沿って、展示台や受付カウンター、デスクやベンチなど様々な機能を持ち、木造グリッドとの配置関係で、様々な奥行きや連続性を生み出している。この地域が継承してきた空間形式と素材を活用することで、生成された多用途可能にする空間は、この場所唯一の体験と、様々な業態変化を許容する、地域性と事業性の“新しい関係”を提示している。(菅原大輔/SUGAWARADAISUKE建築事務所

 

「瀬戸内醸造所 竹原直売所」
所在地:広島県竹原市本町3-10-37
オープン:2021年3月
クリエイティブディレクション:SUGAWARADAISUKE建築事務所 菅原大輔
コンセプトデザイン:SUGAWARADAISUKE建築事務所 菅原大輔 藤坂美佳
実施設計:SUGAWARADAISUKE建築事務所 菅原大輔 藤坂美佳 + 山根建設 山根 積
施工:山根建設
床面積:42.2㎡
Photo:阿野太一

【内外装仕様データ】
床:既存土間現しクリア塗装
壁:PBt12.5下地珪藻土仕上げ(シルタッチSR SR-322/フジワラ化学) 一部SUS304
天井:既存天井根太現し 杉板ステイン系浸透性塗料塗装
什器:レンガ(松本煉瓦)+SUS


菅原大輔/SUGAWARADAISUKE建築事務所
1977年、東京生まれ。2000年、日本大学理工学部建築学科卒業。2003年、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。2004年、C+A tokyo / シーラカンスアンド・アソシエイツ。2004〜2005年、Jakob+Macfarlane(フランス)。2006〜2007年、Shigeru Ban architect Europe(フランス)。2007年、SUGAWARADAISUKEを設立。2021年、早稲田大学大学院創造理工学研究科にて、博士(建築学)取得。2022年、東京電機大学 未来科学部建築学科 准教授。

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